カラギーナンによる脳内炎症。モデルの特徴


カラギーナンによる脳内炎症。モデルの特徴

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3772456/

D A Gamacheら、J Neurosurg、1986 Nov.
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要旨
ムコ多糖類であるカラギーナン(CAR)をラットまたはマウスの後肢に投与すると、アラキドン酸代謝の亢進、血管透過性の増大、浮腫、好中球の滲出などを特徴とする局所炎症が誘発される。カラギーナンによる後肢の炎症はプロスタグランジン合成阻害剤によって抑制され、このアッセイは抗炎症剤が末梢の炎症を抑制する臨床的成功を予測するものである。本研究の目的は、CARを脳室内注射することで、CARによって末梢組織で誘発されるのと同様の脳内炎症が誘発されるかどうかを調べることであった。本研究では、マウスの脳室内にCARを注入すると、実際に末梢組織へのCARの注入によって引き起こされるものと非常によく似た炎症反応が引き起こされることを証明した。CARに対する脳の反応は用量依存的であり、ヨウ素125標識ヒト血清アルブミンに対する脳血管透過性と脳水分率の最大増加は、50マイクログラムのCARを注入した後に起こった。CARによる後肢の炎症で見られるように、脳血管透過性の最大増加はCAR注射後4時間後に起こった。CAR投与4時間後の脳の組織学的解析では、クモ膜下腔へのグローバルな好中球の滲出と、局所的な神経細胞の腫脹の証拠が示された。しかし、メトトレキサートによる好中球減少症は、CARに対する透過性反応を減少させることができなかった。CAR注射4時間後の脳内プロスタグランジンをガスクロマトグラフィーおよび質量分析計で測定したところ、6-ケトプロスタグランジンF1αのレベルが有意に上昇していることが判明した。これらの結果は、CARによる脳内炎症時に炎症性アラキドン酸代謝物であるプロスタサイクリンが有意に増加する可能性を示している。これらの研究により、CAR誘発脳内炎症は、脳における抗炎症剤の効果を検証するための有用なモデルであると同時に、脳が炎症性障害を受けるメディエーターとそのメカニズムに関する情報を提供することが示唆された。

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