【教育エッセイ】匂いで入社を決めた女子学生
「なぜって、同じ匂いがしたからですよ」
私自身を含めて、学生から聞いた最初で最後の入社理由だ。仕事で進路相談に乗る毎日だが、匂いで進路を決めた大学生は彼女を除いて一人もいない。
商品やオフィスといったモノの匂いではなく、雰囲気という比喩的な意味での匂いでもない。彼女に入社を決意させたのは字面通りの匂いだった。最終面接までに出会った全てのヒトの。「会社はヒトで決めろ」とはいうものの、まさか「ヒトの匂い」で決めるとは。
彼女の言い分はこうだ。「一緒に働く人の匂いが合わない場