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ダイヤモンド

6月5日、立川ステージガーデンで開催されたprediaファイナルライブに参加した。とてもいいモノを見た。筆舌し難い景色だけれども、言葉にしなきゃ。

端的に言ってしまうと「全然ラストライブじゃない!」というのが感想だった。セットリストがあまりにもいつも通り(っぽい)
自分はprediaのワンマンに参加するのが今回が最初で最後だったので、いつものprediaのライブがどんな雰囲気で行われているのかは全く知らない。けれど、セットリストから「どうだ、お前ら。泣かせてやるぞ!!」という気持ちを少しも感じなかった。極めていつも通りという雰囲気を感じた。

生のprediaさんを見るのはこれが二度目で、二度目ともなると慣れるだろうと思っていたけれど慣れない。野音の前の方で見たときも、一階の後ろの方から見たステージもキラッキラでその美しさとパフォーマンスに見惚れていた。今prediaさんに対して抱いているのはともすれば恋心に近いそれなのかもしれないとすら思う。

そんな麗しき彼女たちを見て二度とも思ったのが歌のピッチがズレないこととへの感嘆と魅せる力がすごいなあということ。最初はメインの二人しか歌割がなかったなんて嘘でしょ?と思う。全員歌が上手いし、外さない。「喉から音源」という誉め言葉があるが、喉から音源というよりは音源以上のモノが全身から発せられている完璧よりも完璧な歌声に魂が震えた。
魅せる力はシンプルに見せ方が上手。遠くで見ても近くで見ても自然と目線が吸い込まれていくような魅力。野音の時もそうだったけれど、ちゃんと推しの姿を焼き付けようと思っているのにあっちこっち視線が動いてしまう。何度もアイドルのライブに足を運んでいるが、こんな経験をしたのはprediaが初めてで、心が掴まれる、奪われるというのは本来こういうことなのだと気づかされた。

本編では好きだなあと思っていた曲がいくつも披露され、この曲も聴けるんだ!と嬉しくなった。個人的にはBABY KISSが披露されたのがとても嬉しかった。ミディアムテンポでしっとりした曲で一聴したときに「冬の化粧水のCMソングに使われてそうで好き」と感じた。加えてカワイイソングでありながらも大人らしさを残した楽曲で、カワイイ/美しいの両側面を味わえる欲張りな歌であるとも思っている。あと、『kiss me 重なる瞬間に 運命は決まっていたの』という歌詞。自分が受け取って恣意的に捻じ曲げた解釈だけれど、このラストライブに来ることはprediaさんを知った時に決まっていたのかもなと思わされた。

他にも多くの曲を聞いては歌詞の解釈を自分アレンジにしたり、幕間の映像にケラケラ笑ったりステージを見ていたらあっという間にアンコールの時間になった。「楽しい時間はあっという間!」なんて言葉は使い古されてもう味はしないが、このライブはまさしくそうだった。アンコールが始まる前に流れた映像でメンバーそれぞれがグループへの想いとメンバーへの感謝の言葉を向けた。その後のThank you for all my diaで涙を溜めていたダムが決壊した。久しぶりに頭が痛くなるくらい泣いた。自分は物語のエピローグだけを読んだだけの分際なのにあまりにも寂しくてとても素敵だった。二度とは見れないその瞬間に大きな切なさを覚えた。

くそー、もっと早くに知っていればなー。そうしたらきっと関西のライブのときには足を運んだだろうなあ。ありもしない、絶対に戻れない過去の話だけれど。メンバーがそれぞれ紡ぐ言葉を聞いて、その想いは強くなる一方だった。ぐしゃぐしゃになりながらも懸命に自分の言葉を探して僕達に向けてくれる姿にもう心は敗北宣言、白旗を振るしかない。

アンコールで披露されたparadiseの『まだまだ帰りたくはないよ』という歌詞はまさしくその瞬間会場にいた自分の気持ちだった。帰りたくなかった。夢から覚めたくなかった。まだまだ一緒の時間を過ごしたかった。終わってしまったらもう二度とは手に入らない輝きが目の前にあって何一つとして取りこぼしたくなかった。

夢から覚めて数日経った今、圧倒的なパフォーマンスからもらえたエネルギーと喪失感がまだ心をぐるぐる渦巻いている。あの日見た光景の全てを覚えている自信は正直ない。自分フィルターを通して加工した感想だからきっと間違いも多い。それでもあの日見たダイヤモンドの輝きは色褪せない記憶になったと思う。
どうかこれからの道のりも輝きで満ち溢れたものとなりますように。


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