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ドットコムバブル分析、AIバブル予想

1. ドットコムバブルはプラスサムゲームだった

 長期チャートから見えるドットコムバブルは、1995年ごろから急激に株価が上がり始め、2000年にバブルがはじけるまでS&P500は約3倍になり、そこから約半値になったところまでになると思います。一見すると怖い感じですが、1990年-2008年の超長期でならしてみると、年間8%程度で上昇しているように見えます。つまりドットコムバブルでは、株が上がりすぎて元の状態に戻る過程であったとも言い換えることができそうです。これは少なくともチャート上はプラスサムゲームだったのです。

2. では過去にマイナスサムゲームはあったのか?

 2008年に起きたリーマンショックでは、2007年まで長く続いた年8%程度の株価成長ラインが維持できず、大きく下落しました。サブプライムローン問題が主な原因で起こった出来事でした。それ自体をバブル(貸すべきではない人にお金を貸して無理やり景気を維持させたのだ)と表現することもありましたが、少なくとも直近の急激な株価上昇は見られず、チャート上は極端なマイナスサムゲームとなりました。2020年の新型コロナの暴落についても、直近の急激な株価上昇は見られず、暴落直後に各国が極端な緩和政策を行い少し株価が躍った部分はありますが、長期でならすとチャート的には「下がって戻る」マイナスサムゲームだったといえるでしょう。

3. バブルと世界的危機を分けて考えるべき

 以上の考察から、リーマンショックやコロナ禍という危機的状況の到来と、バブルの到来は分けて考えた方がよさそうです。最近はAIバブルが始まったという見方が増えてきたいますが、この考察を当てはめて考えてみれば、より前向きな相場観察ができると思います。

4. 始まりは何がきっかけ?

 バブルの始まりには象徴的な出来事があるように思います。1995年にWindows95が発売されインターネットが起業家家庭に爆発的に普及し始めたことがドットコムバブル発生の象徴的な出来事だったように思います。仮に今がAIバブルの初期段階だとすれば、2022年11月30日にプロトタイプとして公開されたChat-GPTは非常にシンボリックな出来事だったように思います。

5. 終わりは何がきっかけ?

 バブルの終わりにも象徴的な出来事があったのかもしれません。なお公式なドットコムバブルは(1995年からではなくて)1999年から始まり2000年にはじけたとされているようです。そのころに多くのIT企業が当時正当化できないほどの異常な高値を付け始めたためです。どこかではじけなければならない状態でした。これは少し強引な紐づけかもしれませんが、1999年当時「2000年問題」が大問題になりました。これがバブル崩壊の予兆だったかもしれません。この問題は、2000年1月1日午前零時になると、Windowsなど西暦を二桁で処理していた多くの基本ソフト上で1900年に戻ってしまい、給与計算など時間とお金に関する計算に大規模な不具合が発生するという問題で、IT事業が世界的に注目されIT技術者はそてもとても忙しかった時期でした。2000年問題の名のもと、当時は設備投資も盛んだったと想像できます。しかしいざ2000年になってしまうと、おおよそ事なきを得て世界は安堵しました。当時は飛行機が落ちる、みたいなことまで言われていましたので「なんだよ、全然大丈夫じゃないか」と拍子抜けしたことを覚えています。こういった象徴的な出来事(急激なな設備投資需要とその反動の発生)の後にバブルははじけた考えることも不可能ではないように思います。

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