大山、小野寺に打撃指導

チャンスでの四球、全力疾走、昨年背中でチームを引っ張り、日本一に貢献した阪神の大山が10日、大阪府堺市のくら寿司スタジアムで始めた自主トレで同行の小野寺に打撃の指導をした。

 もちろん自分の練習が優先。屋外で行った今年初のフリー打撃では48スイングで5本さく越え、左翼の芝生席に飛び込んだ打球に「いい感じですね」と笑顔。「今日始めたばかりですが、いい準備をして2月のキャンプを迎えたい」と話した。

 そのキャンプに今年球団初の連覇がかかる。「そう、目標は連覇だけです。去年1年で終わてしまったら意味がない」そのためには自身のレベルアップが1番だが今年はそこにとどまらない。自分を含めたレギュラー陣を安閑とさせない若手の台頭を求める。「競争がないと駄目だと思う。そういうのはチームとしても大事だと思う。チームが一丸となってもっとレベルアップしていかないと」。

 いうだけでないこの日それを行動でしめした。「俺の背中を見てついてこい」の昨年までだったら自主トレに同行の小野寺が打撃練習を始めてもよそ事だったがこの日は熱い視線を送った。そればかりではない。アドバイスも送った。4年目の昨年、小野寺は43試合に出て打率3割4分7厘を記録したが本塁打は0だった。1軍定着のためフルスイングを封印した結果でこんな小野寺に「25歳の打者が長打力より確実性に走ったのは間違いだ」と大山は言ったという。

 聞き入った小野寺は「『ちっちゃくなりすぎている。飛ばす力は持っているのだから』と言われ、長打力がないと魅力のない選手になってしまうな気づかされました」合わせて本塁打になる打球の角度、体の使い方も教わった。それをフリー打撃で実行、効果てきめんで打球は外野の柵を越えた。5年目の今年目標は「ホームランは10本」と約束。

 こういう反応は大山にも励みになる。「自分のやっている事が後輩にプラスになってくれたらと良いなと思っている。見られているという事で自分の気持ちも引き締まる」。

 岡田監督は連覇について「レギュラーが行動で示し若手がついていく形ができれば難しくない」といっている。大山と小野寺にはそれを感じる。

令和6年1月12日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?