敵も必死

巨人が阪神から自由契約になったK・ケラー投手の獲得に動いていることが25日判明した。ケラーは1m93の大型右腕で阪神は前年抑え投手として獲得したが開幕カードのヤクルト戦で抑えに失敗、1年目は振るわなかったが今年は前半戦中継ぎ27試合に登板、1勝1セーブ、防御率1.71で岡田監督もそれなりに信用していた。8月10日の巨人戦で休養の岩崎に代わり抑えに出て初セーブを記録。今年覚えたフォークの切れが良くそれまで中継ぎで10試合連続無失点、数字を一つ伸ばしたがその翌日突然帰国した。

 球団は理由を明らかにしなかったが家族の急病が原因と言われ、その後サポートのため戻ってこなかった。阪神はそうした事情を受け入れシーズン終了後自由契約にした。その事にケラーは「タイガースは最後までこちらの事情を理解サポートしてくれた。心から感謝している」と話しているが、こんなケラーに巨人が目をつけた。

 今年巨人は4位で2年連続Bクラスだった。救援陣が弱くリリーフの防御率は3.81でリーグワーストだった。原監督に代わり来季指揮を執る阿部監督が復活の第一歩に救援陣の強化を挙げ、ソフトバンクの高橋礼を外野手ウォーカーとのトレードで獲得、さらにオリックスから金銭トレードで近藤、現役ドラフトで阪神から馬場を手にいれた。

 そのうえでケラーである。12月1日に阪神の保留者名簿から外れ自由規約になった。以後巨人は水面下で獲得にうごいたが、ケラーに関してはメジャーの複数球団も興味を示した。そんな状況下でも巨人は粘り強く交渉、年明けを待たずに基本合意にこぎつけ近日中に入団発表の予定だ。

 去る者は追わずで阪神はコメントを出していないが結果的には退団につながった家族の病気が引っかからないでもない。そこのすきに入り込んだ巨人まさになり振りかまわずだが、一方力を評価しながらケラーの事情を鑑みたところもある阪神はその逆。11試合連続無失点を記録している2年目のケラーは夏場から2軍だった1年目とは違う。情けがあだで帰ってこないか心配はある。

令和5年12月27日

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