あと一人が

沖縄宜野座村キャンプ、阪神13日の練習で1塁大山がメニュー表に入ってなかった特守に志願して参加、本職の1塁だけでなく3塁にも入ってノックを受けた。「サードは捕球に足を使うし、3塁線のゴロを逆シングルで捕る事でファーストでのショートバウンドでの捕球の感覚もつかめる」それにもう一つ1塁守備の練習に専念すると打球を追う距離が短くなる分フットワークを損なう事になる、その不足分を鍛えるという意味もあった。

 練習後大山の3塁ノックについて質問された岡田監督の反応が面白かった。「ああ、そう、別になんにもないよ。今日なんか予定は特守に入ってないやろ。明日特打ちに入ってて、今日するか言ったけど『今日は守備したい』いうて自分で行ったみたいやで。3塁とかそんなん全然知らんよ」。

 それでいて何となく嬉しそうだったのはノックを受ける積極的姿勢に感じるものがあったのだろう。

 阪神はこのキャンプも守りの強化に重きを置いいる。そのスタートはノックを受ける事で、下半身が鍛えられ安定したスイングが出来る事でそれが打撃向上につながる。ノックと打撃成長は同義語なのだ。「年齢も上の方になってきたし、もっと引っ張って行けるよう頑張る」という大山の話はさらに監督をご機嫌にした。

 もっともそんな阪神の中でノックの効用がいまだ理解出来ないのが一人いる。佐藤輝だ。下半身の強化につながるノックだが受けるのに手は抜けるし、そんな事では下半身は強くならない。佐藤は米国の動体解析で著名な施設で下半身を使うフォームに変え今のところ快調で、「調子の波を克服出来たら本塁打40本も可能」と勇ましいがそのための下半身強化につながるノックがおざなりだ。

 佐藤は2年下の森下を可愛がっている。「後輩ですが勝負強さだったり見習うところは多い」というが。4歳上の大山とはあまり言葉をかわさない。

令和6年2月17日

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