税金ドロボーと喚く前に、あなたはそれほど税金を納めているのかい?

かの、矢野論文を読んでから、日本国の支出ってどれくらいで、その支出をまかなうにはどれくらいの税金払えばいいのかってのを大雑把に計算してみました。

1.日本国の総支出

矢野論文に従い、一般会計のみから拾うと、147兆5973億円。本当は地方交付金とか、国債費とか全部差し引きたいところですが、いったんはこの総額とします。

2.日本の人口

2021年10月時点での推計で1億2512万人

3.総支出÷日本の人口

一人当たりの支出は1,179,645円でした。
これを各種税金のうち、所得税、住民税、消費税で返すにはどれくらいの所得が必要か推計します。
所得税は給与所得か事業所得か、さらに給与所得だと家族構成で税額が変わってくるのですが、いったんは単身の給与所得者前提で考えてみます。

4.支出をまかなうに必要な所得 600万円で試算すると

上記の条件で所得が600万円の場合、まずは所得税と住民税を算定してみると、所得税20万円、住民税31万円で51万円となります。(所得控除なしで本当は自分で計算したいところですが、以下のリンク先の情報まるまる写しました。)

で、これらの税金と保険料を引いた手取りが461万円。手取りから貯蓄に10%を回したとして、残りの414万円をすべて消費したとすると、消費税額8%として30万円を消費税として負担しています。

これら3つの税金の合計が81万円。117万円に至らず!
が、この600万円はわれながら勘がいいというか、今の日本で人間らしく余裕を持つには給与所得ベースで600万円は必要ですね。個人事業主だと、一般的には給与所得の三倍が必要だから、1,800万円となりますが。
もっとも、年収600万円の時点で社会保険料をなんと86万円も納付してるので、上の3つの税金と合わせると168万円も国に納めていることにはなるのですが。

700万円で計算すると、所得税と住民税で70万円になり、消費税40万円を超えるので、700万円の所得があると日本国の総支出をまかなうことになります。もちろん、日本国の総人口には、生まれたての赤ん坊も働くことが難しい人も含まれているので、4人世帯だと2800万円!も必要となります。さすがに無理じゃね?

ご安心を、上記の計算はざっくりです

矢野論文にならい、特別会計ではなくて、一般会計のみの支出です。なので、医療保険、雇用保険、年金のような社会保険料が総支出のほうにのみ含まれてしまっています。これら3つの保険料って、所得の13%程度を納付しているため、600万円の所得でも86万円分を負担していることとなります。

あと、公債費も総支出に含んでしまっているのですが、元利金の返済なんて、未来永劫日本国が続く限り先送りでいいから、この23兆円なんて、実質的には支出ですらない。

さらに、地方自治体に対する支出も総支出に含めていますが、だいたいどの自治体も収入超過で剰余金があるので、本当は正味の地方交付税って算定したいところ。

まあ、このお遊びでも分かるとおり、単純な支出と税収の比較ですら、複雑な前提条件があるから、増税増税喚く前に現状をきちんとみないと分からんものですね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?