期待通りの内容だったわ

これは”対岸の火事”ではない!

ユニクロ、アマゾンの潜入ジャーナリストが単身渡米。トランプ陣営の選挙スタッフとなり戸別訪問1000軒超。「議事堂襲撃」では、警官の催涙スプレーまで浴びてーー「分断」「狂信」「暴動」すべて内側から見た。コロナ禍でノーマスク集団に囲まれ、時にQアノンに陰謀論を説かれ、時に反トランプ派に中指を立てられ、時にBLM暴動の銃声を聞きながら、たった独りでフェイクニュースと闘い続けた“不屈のルポルタージュ”、ついに刊行。

〈一見すると堅牢にも見える民主主義は、私たちが信じているほど盤石ではなく、意外な脆弱性をはらんでいる。アメリカで起こった”トランプ現象”を追いかけながら、民主主義が、どうやって道を踏み外し、どのように機能不全に陥り、崩壊の危機に直面するのかを考えていこう。〉(プロローグより)

上記サイトより

著者に対する評価

本人が密着した取材で普通は辿り着けないところまで行くのに、なぜかつまらない結論に至るところが佐野眞一そのもの。代表作のユニクロに侵入したやつなんて、ユニクロは中国での製造工場で工員を徹底的にいじめることで安さと品質という両立しないものを両立させていると非難しているのだけど、読んだ後でユニクロすげーなとしか思えない事実の陳列で非難する気も起きないというある種の奇跡のような作品だった。

本作に対する評価

読書前の期待通り。トランプ支持層を観察する目的で、2020年から1年間、共和党に潜入したものをまとめたもので、ホワイトハウスの襲撃事件の記載から始まり、アメリカの民主主義は今日死んだ、とえらい大袈裟な表現をしているのだけど、どれだけ民主主義に期待してるのだろう。著者は歴史に興味がないようで、ヒトラーを産んだのも民主主義だけど、それは民主主義の死にならないの? 2020年台から振り返ると、オバマ政権の時にアメリカが名目ともに世界一というのがなくなり、単に経済と軍事力が世界一になっただけ、アメリカの民主主義が死んだというのであれば、オバマを選んだ時なのでは?
ただ、民主党支持層に例の赤いキャップをかぶって突撃するあたり、純粋に尊敬もできる。昔日テレでやってた電波少年とか、なかなかできることではない。

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