授業ネタとネタ話「不定詞」

ステージ:文法の確認  時間:20分

不定詞には「名詞的」「形容詞的」「副詞的」用法があり、問題集ではドリル的に練習させて学習させることが多いです。地道なドリル練習はとても大切ですが、実際にどの様に使われるか、感覚で分かる様な例を示してあげることが、生徒の理解を深めることに繋がります。

不定詞の用法については、まず文法説明を行い、ドリル練習等を行った後、以下の曲の詞を引用して、意味の違いを生徒に考えさせていました。

【板書】

If you ever find yourself stuck in the middle of the sea,           もし君が海の真ん中で身動きが取れなくなったら

I'll sail the world (1)to find you

If you ever find yourself lost in the dark and you can't see         もし君が暗闇の中で何も見えずに迷ったら

I'll be the light (2)to guide you

【解説】

不定詞に注目してほしいのでそれ以外はなるべく日本語を書きます。

生徒には不定詞の入っている文の訳を考えさせます。

生徒はそれぞれの単語をつなげて答えるので(1)は「泳いで君をみつけるよ」(2)は「ライトで案内するよ」など自由に答えますが、(1)と(2)は不定詞の用法が違うことを意識させるために、少々不自然でも用法の違いが分かるような訳を生徒から引き出すことがポイントになります。

「この二つの不定詞の用法は同じ?」「実は二つの不定詞は違う方法なんだけど、違いが分かるような訳にするにはどうしたらいい?」と助け船となる問いかけをしたり、クラス全体への問いかけで答えが出ないようなら、ペアで考えさせる、小グループで訳を書かせて比べてみる、などとにかく生徒たちに考えさせ、生徒から正解を引き出せるような誘導を心掛けます。

(1)は動詞のsailにかかる副詞的用法で「君を見つけるために世界中を航海するよ」

(2)は直前の名詞lightにかかる形容詞的用法で「君を導く(ための)光になるよ」

用法の違いを認識出来たら、先ほどの板書に訳を加えます。

生徒にもノートに書かせます。

ここまで出来たら、英文・和文を書いたプリントを配布し、実際に洋楽を聴きます。プリントは用途に応じて<英文・和文すべて書いたもの><英文空欄あり><和文空欄あり>を準備します。個人的には生徒が集中して聴くので、英文空欄ありのプリントをよく作っていました。

プリントは先に配ると、どうしても生徒が読んでしまうので、なるべく使用する直前に配布します。

【One Step Forward...】

生徒が混乱しないよう、メインの文法(今回は不定詞)以外の文法説明は深入りしないようにしますが、この曲のタイトルのcount on ~はぜひ紹介してほしいです。

count on ~は「~を信頼する」を意味する熟語だと説明します。さらに、曲中に数字が出てくることから、動詞のcountは「数を数える」という意味だということを生徒に推測させると、生徒に興味をもたせることが出来るかと思います。

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