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法務の意識を変える5つの質問

こちらは法務系Advent Calender2020 (#legalAC)23日目のエントリーです。

Twitter互助会でお世話になっているみなさま、こんにちは。その他多くの方、初めまして。@OGTK1973さんからバトンを受け取りました、仲條と申します。某ソフトウェア関連の企業で一人法務(知財は別に一人)を担当しています(少し詳しい自己紹介はこちらにございます。物好きな方はどうぞ。)。

で、少しでもアウトプットの機会を作ろうと思って、今回初めて参加しております。
ただ、申し込んだまでは良かったのですが、「自分に書けることって何?」と考え始めると、「専門性特になくて弁護士資格もないのに、法律的なこと書いてもなぁ…。」「キャリアとかも自分より深く考えてる方の素晴らしいエントリーあるしなぁ…。」みたいになってきて、さぁ困ったぞと。
今日が近づいてきて焦ってきたところに、こんな話題が。

こちらの件については、背景等よく知らないのでコメントは避けますが、これを受けたテンプレ芸がいくつか見られたので、思い付きで僕がつぶやいたのがこちらですね。

これだ!

ということで、そこから広げて、「法務の意識を変える5つの質問」というネタにします。これを読まれるのは法務の方が多いと思うのですが、「営業担当者の意識を変える…」だと、何かエラソーな感じになるかなぁと思ったのと、これまで自分が言われてハッとさせられたこともあったので、それがどなたかのお役に立つこともあるかもしれないと考え、こちらにしました。
事業側の方や、若い方にもご参考になることがあるかもしれないですね。もしかしたら。

Q1. 「ビジネスを進めることに配慮した変更案ですか?」

↑そのままですね。すいません。
まぁ…これをそのまま発する営業さんもいらっしゃらないと思いますが、法務としてはやはり意識しておかなければならないところだろうということで、最初に持ってきました。
これ、法務の契約書レビューって、特に慣れてきた頃が一番そうだと思うのですが、細かいところに気づけるようになって、必要以上に指摘が多くなる傾向にあるんじゃないかなと思うんですよね。自分も振り返ればそうだったし、狭いですけど自分の周りも何となくそんな感じかなぁと(もうちょっと掘り下げて別の記事にしたいですね。)。

本質的でないところの交渉に時間をかけさせる、お互い気持ちの良くない、法務の自己満足みたいな変更案にならないように、常に意識したいものです。

Q2. 「具体的に、どういうケースが想定されるんですか?」

これはですね、抽象的な漠然とした不安「だけ」で入れる、無駄な変更を防ぐ効果がありますね。言われて初めて、「こういうことを心配してたけど…うーん…ないか。」となることもあるのではないかと。
ただ、相手の法務担当にある程度の知識・経験が必要になりますね。初心者にこれをやると、わからないだけということはあり得ますのでご注意を。とはいえ、「具体的にどうなのか」を考えながらレビューするクセをつけてもらうのには良いと思います。

Q3. 「○条は(この文言は)、書かないとどうなるんですか?」

相手のドラフトに入れた修正についてもそうですが、自社の雛形について聞いてみるのも良いですね。各条項、各文言の実質的な意味を考えていないと答えられないので、Q2同様無駄な変更を防ぐ効果もありますし、自社の雛形についての話であれば、雛形がより良いものになっていくという効果もあります。

Q4. 「この書き方で、○○もカバーされていますか?」

Q2と少し似ていますが、こちらは主に自社の雛形をイメージしています。
実は、Q5に書いた一昨日の勉強会で言われてハッとしたのですが、通常当社で行っているビジネスなのに、僕が考えてもわかるようなケースが手当てされていなかったんですね。もう考えが浅いのバレバレで、申し訳ないやら恥ずかしいやら。
でも、おかげで雛形は良くなるし、僕の意識も高まるしという、素晴らしいご質問でした。

Q5. 「○○について勉強会を開いてもらえませんか?」

これは実質的には意見ですね。
法務主催で勉強会をやると、法務も間違ったこと言えないですし、質問をいただくと、毎回新たな発見があったりします(仲條が未熟なだけというのもあります…。)。

当社でも一昨日、ライセンス契約をテーマに開催したのですが、今回は特に、こちらもみなさんのご質問、ご意見を多くいただきたいなと思ったので、1時間の枠のうち自分からの説明は20分くらいにして、質疑応答の時間を長くとりました。これがアタリで、営業の方と技術の方と、営業のサポートの方がいらっしゃったので、色々なお話が聞けましたし、こちらの考えが浅かったところをツッコまれたり、これまでで一番良かったんじゃないかと思える勉強会でした。こういうのもっとやりたいですね。

ちなみに当社の法務勉強会ですが、3ヶ月に一度、基本任意でやってます。普段はこちらでテーマを決めて、興味ある方どうぞ~という感じで呼びかけるのですが、今回は忙しいのが続いていて、枠だけとってテーマを決めていなかったんです。
で、たまたま、関係ないミーティングで、某事業部長(11月に入社されたばかり)から「ライセンス契約で、当社雛形から譲れるところとか、考え方とか、そういう相談をしたい」と言われまして、「あ、じゃあ今度の勉強会それにしましょうか!」と、うまい具合に決まったのでした。

番外編

事業部の意識を変える質問も一つ思い付いたので。
「○○って通常の条件と違いますけど、一通りご確認いただいていることを前提に拝見してよろしいですか?」

まぁ…法務あるあるというか、契約あるあるで、やっぱりありますよ。華麗なるノールックパス。大体わかりますよね。あー見ないで回しやがったなってのは。
そんなときに、「読んでたら普通ここコメント入れるよな」ってところを指摘してあげますね。
ま…意識は…変わらない…かな…かも…しれませんが。

おわりに

何とか5つ書いて、分量もそれなりになりましたね。今年は特に大作が多いなと思っていたのですが、分量だけはとりあえずクリアですかね。最後はなんだか当社の勉強会のご紹介が長くなりましたが、初のLegal AC投稿は無事に穴をあけずに済んだということで、ご容赦くださいませ。

そして幹事の@kanegoontaさん、いつもありがとうございます!

明日はkeibunibuさんです!

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