同時通訳中 2023/6/29

今朝も自宅で8時前からスタンバイ。
誰も見ていないけれど、化粧も着替えも済ませている。
最初の1時間は天使の声を持つ業務委Aさんがやってくれるので、私はMacBook Airを2台セットしオンラインで進行を見守りながら資料を読み込む。
なんという早口なのだBは。これを訳すとなると私も早口にならざるをえない。1時間半ある会議の最後の30分にアサインされていた私は巻きで終わることを切に願った。どんなにスクロールダウンしても終わりが見えないアジェンダではあるが、こんな猛スピードで片付けているんだから、早めに終わるかもしれない。
8:45頃から心拍数は上がるに上がって全力疾走してるみたい。始まる前からこの緊張感。時短の派遣社員として働き始めてまだ1か月も経っていない。畑違いのIT企業。業界が違えば言葉の意味も変わってしまう。1から学び直し。
遂にスクリーンに表示される9:00の文字。左手に配したMacBook Airの同時通訳ソフトの画面でマイクをオンにして、会社から貸与されたスタンドマイクに向かって日本語で訳出し始める。会議は英語で進行し、和訳に終始することとなった。
足元には扇風機。自宅の窓を開けると勢いよく国道を走る車両や強風の音が邪魔になる。30分脳みその全力疾走でBのマシンガントークについていく。
通訳ソフトのチャット欄には、先に退室したAさんから「次があるのでお先に」のコメントが残っていた。
時間通りに収まるかどうかの盛りだくさんな会議となった。伸びなくて助かった。30分以上ノンストップで同通するのは厳しい。コップに水を注ぎすぎると溢れ出すように、言葉の情報を処理できず垂れ流すだけになってしまう。
終了後はしばらく携帯でニュースやTwitterなど全く関係ない情報を見てリセットし、トイレに行き、水分と糖分を補給する。
それから次のセッションの資料を読み込む。

お次はアジア語圏に特徴的なスタッカート、弱い子音で繰り出される英語。スピーカーは他の数人の参加者と共に会議室におり、マイクに向かって喋ってはいないようだ。ノイズが入る。小さく見える会議室の様子をしっかり確認する余裕はない。
Cは特徴的な英語で、私には全くわからない世界の話をしている。たった一人これを聞いているであろう日本人参加者のDさんのためにも、内容をスピーディーかつ正解に届けなければ。
ああしかし!何のことを言っているのか。たとえ20%程度の理解度でも、無言よりマシだと思って言葉を絞り出す。そのうち強烈な空腹感に襲われ、そのことが思考を占領し始める。ああ糖分切れだ、脳の赤信号だ。
私の和訳は支離滅裂。内容がわからない場合は日英の方がよっぽど楽だ。早口の英語をまくしたてる方が相手に多く伝わると思ったら大間違いだから!と思うが、若かりし頃の私はそれと全く同じことを日本語でやっていたと思い至る。ブーメラン。
再びペアになったAさんが交代してくれたあとも、動悸はしばらく続いた。今日は特に苦戦した。やっぱり廃業すべきか、と思うほどに。
でも考えてみたら5年近く正社員として社内通訳翻訳を勤めた前職でも、やっと自信がついてきたのは1年経ってからだった。もう少し様子を見よう。。。

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