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NIPT検査する?

・もし陽性だった場合に、産まない。それって命の選択なんじゃないの?
・胎児をおろすなんてひどいんじゃない?
・検査をすること自体に罪悪感を感じる。
・検査をした場合に陽性だったらどうすればいいか悩むから検査ができない。

そう考えている方がいたら読んでほしいです


私は39歳と高齢出産だったので、次女の出産時NIPT検査をしました。NIPT検査をすると決めた次は、何を、どこまで調べるのか、という選択があります。私は21トリソミー(ダウン症候群)の検査のみをしました。費用は約5万円くらい。関西圏在住なのでこちらのヒロクリニックで検査をしました。
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ちなみに、ヒロクリニックにした理由は以下の2点です。
1にコストパフォーマンス
2に認証施設であること(日本医学会連合が認証したNIPT検査施設)


なぜ、21トリソミーだけを検査したのか?

染色体異常で産まれた赤ちゃんの大概は胎児〜2年と寿命が短く、長く生きることはできません。そのため、もし21トリソミー以外の染色体異常で産まれた場合、私たち夫婦はきっと生きていて、子供のそばにいて必要なサポートをすることができると思います。

しかし、21トリソミー(ダウン症)だけは、長く生きる可能性があります。ダウン症児の平均寿命は、60歳前後。一般の平均寿命に比べると短いですが、ダウン症のある人の死亡時の年齢は72%が40歳以上と、昔に比べるとはるかに長生きします。心臓手術などの医療技術が発展したためでしょう。



それが、21トリソミーの検査はすると決めた理由です。


もしダウン症児でも、社会生活が普通に営める軽度のダウン症であれば大きな問題ではないかもしれません。しかし、重度のダウン症で一人で生活できないレベルであった場合、自分たちが死んだら誰がその子の世話をしてくれるのか、長女が全てを背負うのか。その子はどう生きていくのか。そこに親としての責任が持てないと思ったため、検査をすることにしました。


じゃあ、もし検査をして陽性だった場合、中絶をすると決めきれていたか、というとそうではありません。検査寸前でも半々の気持ちだったと思います。が中絶をする可能性も覚悟はありました。陽性だった場合、まずは羊水検査をしたり、専門のカウンセリンングも受けて検討したと思います。


私は検査をすること自体、悪いことではないと思っています。出産って子供を産んでからが全ての始まりで、現実として人間を育てていかなければいけない。産む限り、あらゆる状況を想定して、親になる覚悟をする必要があると思います。その一貫に出生前検査があって良いと私は思うのです。それぞれ価値観は色々なので私の意見にも賛否あると思います。


NIPT検査について、放送大学客員教授、神戸大学大学院教授の齋藤いずみ先生の文を引用します。


1、生存権と自己決定権

胎児の生存権と女性の(夫婦の)自己決定権。どちらが優先されるべきであるかは大きな論点になると思います。胎児は、人の萌芽であるため生命が尊重されるべきであるという考えがある、その一方でリプロダクティブヘルス/ライツの考え方から、女性の意思決定を尊重する考え方もある。この選択はかなり倫理的で決断は難しいです。


→検査前に夫婦で、「どうして検査を受けようと思ったのか」という検査目的と「陽性だった場合にどうするのか」という判断の部分についてよく話し合うことが必要だと思います。


2、診断による精神的ストレス

出生前検査を受ける女性は、妊娠10週以降でつわりが強い時期です。結果が陽性であった場合には、妊娠15週を過ぎた安定期に羊水穿刺の検査を受ける決断をしなければなりません。この時期は、胎動も感じている時期であることから、染色体異常時であることが確定診断されてから人口妊娠中絶を決断するまでの、女性の精神的ストレスはかなりおおきくなると思います。

→検査を検討する際、そのことも念頭に入れて検査をする必要があります。


3、どれくらいの人が検査を受けてる?

2013(平成25)年より、開始したNIPT(新型出生前診断)。開始から5年間で約5万8000人の女性が検査を受け、陽性は1038人、陰性は5万7018人。陽性と診断され、検査で異常があるとされたうち、729人が人工妊娠中絶を選択している。


おわりに

妊娠出産の過程は何かと選択の連続。場合によっては産むか産まないか、から、どこで産むか、里帰りするか、無痛分娩か、体調によっては仕事のことや、他にももっと複雑な選択をしなければならないこともあります。その時々で悩んで決断した答えに納得して生きれるように、私自身も、情報収集をすること、情報の信憑性を見極めること、自分や時には夫や娘とよく話し合うこと、俯瞰して考える習慣を身につけていきたいと思います。


引用文献
齋藤いずみ.母性看護学.一般財団法人 放送大学教育振興会.2020

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