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おせち、おぼえがき③

二の重、煮しめ編。

ここが、実を言えばいちばん反省点というか、こうしたほうがよかったなーというのが多い部分でした。
なんていうか、味付けもラインナップもちょっと中途半端な感じがあった。
素材の味を生かして薄味に、それぞれの味付けも一緒にならないように気を配ったつもりが、出来上がりは美味しいのだけどお重に詰めて時間が経った時にどうなるかまで気が回らなかった感じです。

というわけで以下個々の素材のメモです。

【鶏肉照り焼き】
山原若鳥のもも肉をフライパンで皮はパリパリに、肉はジューシーに焼いて、迷亭の手羽先のタレを塗りました。鶏肉の素材感と、迷亭独自のタレで個性を出したつもりでした。確かに出来上がりの時はとても美味しい。でも、冷めれば皮のパリパリ感はないし、肉も味が薄く、鶏臭さも感じるようになってしまう。やっぱり甘辛く煮付けたほうが正解でした。

【手綱こんにゃく】
島のスーパーで売ってるあらかじめひねってあるこんにゃくを使ったのですが、サイズが大きすぎた(笑)お重に入れると妙に存在感があって。。ちょっと手間でも自分たちでお重のサイズにあったものにすべきでした。味付けは島唐辛子粉を使ったきんぴらで。これもこんにゃくのサイズが大きくてうまく味が染みなかった。

【たたきごぼう胡麻和え】
島ごぼうを使用。美味しくできたと思いますが、ゴマがどうしても他の素材に付いちゃいますね。

【椎茸】
これくらいしっかりした味付けの方が煮染はいいですね。ただこれも気張ってサイズの大きい良いものを仕入れてしまったけどお重のサイズに合わなかった。

【島人参】
島産の金時人参と金美人参を使用。智さんが頑張って花人参にしてくれました。グラッセ的な甘い味にしようとしたのですが、ちょっと味付けが中途半端だったな。もっと甘くするか、甘辛味にするか。

【れんこん】
細工してから酢水に浸しておいたのですがちょっと濃かったみたいでかなり酢の味が強く付いてしまった。開き直ってさっと出汁で煮てシャキシャキした感じも残して「酢蓮」風にしたんですが他の素材にも酢の味が移ってしまった。

【八頭】
実家で作る八頭がやはり色を白く薄味で炊いていて美味しい記憶があったので再現してみたのですが、ちょっと味の染み込みが足りなかった。あとれんこんもそうですが、おせち的なこだわりよりもここは島の素材にこだわった方が良かったかなと思いました。

【オオタニワタリ、インゲン】
色を生かしたくてお浸しにしましたが、やっぱり時間が経つと褪せちゃいますね。緑を残すうまいやり方ないかな?

【金柑の甘露煮】
これは無理な話なんですけど、金柑、もう一回りサイズが小さいと可愛くお重の隅に収まってくれるんだけどな。以外とでかくて存在感が。。


「お前はこんな反省ばかりのものをお客様にお出ししてるのか!」と怒られちゃいそうですね。。でも出来上がりの時点ではそれぞれはどれも満足いくものだったのです!うーん、しかし狭い箱に詰めて時間が経つと。。
結果、まとめると、

・素材を詰めた時のデザインに合わせた大きさにする。
・味が移らないように仕切りの工夫。
・味付けはしっかり濃いめで。
・内地のおせちのフォーマットより島の素材にこだわる

こんな感じでしょうか。
仕出しの料理の難しさを痛感しましたね。

次回は島の酒肴編&自家製かまぼこ編。

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