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2015 3/19 「照れ転び」

昨日はちょっと立て込んでて日記が書けなかった。なので日をまたいでしまいましたが、昨日の分から、まず。

「照れ轢かれ」というのは、かの故中島らも氏の造語で、彼の友人の話か、らも氏が友人の車に乗ってた時の実体験だったか、ともかく友人の車が道に飛び出してきたおばちゃんにぶつかってしまった。うわっ、しまったと思い車を飛び出る間も無く、そのおばちゃんはサッサと立ち上がり、恥ずかしそうにはにかんだ笑いを浮かべながら運転者に向かって会釈してそのまま立ち去ってしまったという話があり、いい大人になると車にひかれても「わーなんかえらいことしてもうたー、ええ歳してはずかしーわー、もー。」という意識が先に立ち、なんとかその場をなかったことにしてしてしまいたいと思うのだろうという人間心理を「照れ轢かれ」と名付けたのでした。

ま、昨日そういうことがありまして。

久々にバンナ公園をランニング。
もうここでゴールというところ、北口のバンナスカイラインの登り口の下り坂をラストのダッシュで猛然と駆け抜けてたとこで、足先が歩道のタイルのめくれ上がったとこに引っかかる。
あっ、転んだ!と思う間もなく、顔面からスライディング。
口の辺りの熱いような痛みと血の味わい。でどうやら自分の肘で肋骨の辺りを痛打したらしく息ができない状態。転んだ状態のまま数秒ウウーッと唸ってると、「だ、大丈夫ですかっ!」とおばちゃんの声。

(み、見られてた!)

とっさに何事もなかったように立ち上がる俺。
「いや、はは、転んじゃった、大丈夫、大丈夫です」
となんとかいってみるものの、そんな俺の顔をみて
「、、ひっ」
と声にならない呻きがでるおばちゃん。
地面に、衣服にポタポタとしたる血から、見えないまでもなんとなく自分の顔を想像する。
「救急車を呼びましょう!」
「いやいや、そんなほんと大丈夫ですから!」
「でも、顔はふかないと!」
青いハンドタオルを差し出すおばちゃん。
「いやそんな、汚れてしまいますから」
「だって、ポタポタ落ちてるわよ!」
と無理やり俺の顔にタオルを押し付け拭きはじめるおばちゃん。
ちょ、痛っ、案外乱暴なのね。。
「いやあすいません、でもほんと大丈夫なんでありがとうございましたっ!じゃっ!」
なおも不安げに取りすがるおばちゃんに松岡修造ばりの爽やかな笑顔で(ただし血だらけ)微笑んでから踵を返し体の痛みも忘れて近くのトイレに駆け込んだのでした。
まさに「いい年して一人で大ゴケって、ハズカスー!」という心理、「照れ轢かれ」ならぬ「照れ転び」。
おばちゃんには悪い事しました、せっかく心配して助けてくれたのに、タオルも汚してしまったのに、逃げるようにその場を立ち去ってしまった。
やはり、タオルを差し出してくれた時に素直に受けとり、汚してしまったことを詫び、後日お返ししますのでと連絡先を聞くというのが大人の作法だよな。
そして後日お宅を訪れ「この間のタオルは汚してしまいましたので」と「ご贈答、引き出物に最適、イヴサンローラン印の高級タオル、ハンドタオル、フェイスタオル、バスタオル三点セット」などを差し出せば「まあ、なんと紳士なお方。。」となにか別展開があったかもしれん。

ま、それはともかく。
ひどいことになってるかなと思った顔は案外そうでもなく。
下唇が切れて腫れ上がってる以外は目立った外傷はない感じ。まあ、今日になって体のあちこちに痛みは感じてますが、特に日常に支障のあるほどの痛みではない。
となればこの俺のぽってりと脂の乗った大人の男の機能性唇が、転倒のすべての衝撃を受け止め和らげこの俺を「ランニングして一人ゴケ→救急車で緊急入院」という確実に黒歴史になるだろう事態から救ってくれたということであろう。やるな、俺唇!
しかし、なぜ口から落ちるのか。
体の痛みの具合から察するに、まず右手が前に出て転倒を防ごうとはしたらしい。しかし左手がiphoneを持ったままだったのでそれを守ろうと左手は着けなかったので支えきれず顔面スライディング。しかも恐らくは転倒するなという驚きから下顎と下唇が前に出てる状態だったと思われる。

つまり図解するとこういうことだ。





あいーん

このかっこで転んだのか!
おばちゃんにも見られて!
逃げて正解!

ここでかさぶたと腫れで、いかりやもびっくりな魅惑の俺唇画像を晒すとこですが、俺も含め誰も得しないので、バンナ公園に咲き乱れる満開のリュウキュウアシビの映像で本日はお別れです。



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