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2015 2/15 「シマトマソン②」

前回の話

そもそもトマソンってなに?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%BD%E3%83%B3


「シマトマソン」という言葉と同時に思い浮かんだのが、今回ご紹介するような物件。
いかにも沖縄な鉄筋コンクリートの建物の平たい屋根に飛び出てる数本の柱。
なんとなく、家から角(つの)が生えてるみたいだなあ、と思ってたのですが、やはり「角だし建築」と呼ばれてるようです。

お家を新築する時に、将来の建増しを想定して、その土台になるように柱を伸ばして残してある、ということらしい。

しかし大概はそのまんまお家の奇妙な装飾物として、ただそこにある。

じつにトマソン的なものだと思うのです。

ただ一つ難点があるとすればあまりに数が多すぎるということでしょうか。(笑)

今回も、うちの近所にあったかなー?なんて探しに出たら、いや、あること、、あることあっという間に10個ぐらいの物件が見つかりました
「超芸術」といえど「芸術」と名乗る以上、量産されたプロダクトにその価値はない。
しかしこの「角だし建築」がアメリカ世の沖縄で、木材の不足と占領軍住宅の影響で主流となった、鉄筋コンクリート造り住宅の象徴的なアイコンであり、かつ現在以降は急速に失われていくことを考えれば、そのトマソン的な価値は自明かと思われます。

将来を柱に託して青い空に突き出る角は、沖縄戦後復興の夢や希望そのものだったのではないでしょうか、なんて。

これ以上、この上に何を建て増しつもりだったのか?人の欲望の深さを知る「バベルの塔」的角だし。

実用を備えてしまえば、トマソンとは言い難いのですが、この手の再利用型角だしも多いです。フェンスをつけたり、突き出た柱を支えに台を作って給水塔(これもシマトマソン的と言えなくもない案件)を取り付けたり、アンテナをくくりつけたり。

結構いろんなパターンがあって面白いです。
今日もみたいな天気の良い日曜日は、空を見上げながら「角だし」を探すお散歩というのはいかが?(笑)

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