2015 1/17

オードブル

オードブル、という習慣が沖縄にはある。
いや、内地でもこういうものはあったのかな。寡聞にして僕は知らなかった。コース料理の最初に出てくる、ちまちまっとした前菜。それが僕が知っているオードブル。
然るに沖縄では老若男女誰もがオードブルといえば丸い大きなお盆状のプラスチック容器にこれでもかと詰め込まれたおかずというかおつまみというか、そういうものの盛り合わせを指す。で、何か集まりがあればとにかく欠かせないのがコレ。ちょっとした内輪の飲み会からあまたある地域の行事、お祭り、親戚の集まり、とにかく人が集まればオードブル。お正月もおせちじゃなくてオードブル。
島に来て店を始めてまだいくらもたってない頃、まだ数少ない知り合いの1人からとあるイベントの打ち上げでオードブルを用意してくれないかと頼まれた。ずいぶん洒落た言い回しをするなと思いつつ、要はパーティー用の仕出し料理の注文と思い、人数は何人くらいかと尋ねたら2、30人かなあと。おーこれは大仕事だと思い、予算は?と聞くと、1万円くらいでとおっしゃる。要は大きな容器のオードブルを2個くらいというつもりだったんでしょうね。こっちはそんなの知らない頃だから、ずいぶん値切りやがるなと思いつつ、「ようがす、引き受けやしょ!」てなもんで採算度外視で大皿にでん、と盛った料理をいくつも得意げに持ち込んだ経験がありますが、あれは今思えば相手も相当困ったろうな。
もちろん今はそんな勘違いはしませんが、相変わらず採算度外視で、みっちり詰め込んだオードブル、承っております。
写真は昨日ご注文いただいた5千円のオードブル。
これから十六日祭やらご卒業、ご入学やらと何かとオードブルの出番の多い時期です。迷亭でも基本前日までのご注文で年中承っておりますので、是非ご機会のあるときはご利用くださいませ。

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