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「じゃない方」にとっての希望の島

中西 拓郎

ドット道東で制作している.doto第二弾道東のアンオフィシャルビジョンブックの制作が佳境に近づいています。

1000人の理想を掲載させていただくこの本は理想を寄せてくださった方、1000人の方の理想が実現に近づいたり、読んでくださった方の背中を少しでも押せるようなものになるようにさまざまな企画をつくっています。

クラウドファンディングで1000冊以上の行き先が決まってしまったこの本は、本自体がいわば理想を寄せてくださった方へのアンサー。最近登壇させていただくセミナーやイベントでは「この本は手紙のような本だ」ということを話させてもらっています。

一般流通までおこなう本という媒体であるにもかかわらず、極めて私的な内容とメッセージを掲載する今回のビジョンブック。
これは「1000人の方が理想を寄せてくださる」「クラウドファンディングにより制作の前から読者が決まっている」という顔の見える状態だからこそできるアプローチで、一般的な出版物とは一線を画す作り方をしているビジョンブックがどんなものになるのか楽しみでなりません。

今回もクラウドファンディングで「制作お手伝いプラン」をご支援いただいた皆様と一緒に制作を進めています。(今回は109名の方に!)
前回の第一弾もそうでしたが、ドット道東だけでは到底作り切ることができない内容になっていて、感謝してもしきれません…
制作を通して新しい出会いも、気づきもうまれるこの体験。なにより、関わってくださるみなさんの熱意が凝縮される一冊は、ものすごく大変ではあるものの特別でかけがえのないものだなと感じています。間違いなくどえらい一冊になってると思うので、お楽しみに!

制作の過程は「#dotdoto制作の日々 」というハッシュタグで覗くことができるので、ぜひその過程も一緒に楽しんでくださると嬉しいです。

遙かなる希望の島公開対談取材


制作中のビジョンブックの企画として明日、公開対談取材をおこないます。

お話をお聞きするのは元北海道副知事で北海道のキャッチコピー「試される大地」の決定にも携わった磯田憲一さん。
出会いは磯田さんが上梓された「遙かなる希望の島〜「試される大地」へのラブレター〜」という一冊の本からでした。

磯田 憲一 (いそだ けんいち)
1945年(昭和20)旭川市生まれ。北海道富良野高等学校を経て、1967年明治大学法学部卒。同年「北海道」入庁。政策室長、上川支庁長、総合企画部長を歴任し、2001年北海道副知事に就任。2003年退任。北海道農業企業化研究所(HAL財団)理事長、旭川大学客員教授、公益財団法人北海道文化財団理事長、認定NPO法人アルテピアッツァびばい代表、「君の椅子」プロジェクト代表、東川町・北工学園理事長を務める。2014年第6回日本マーケティング大賞地域賞受賞。2015年「春の叙勲」で瑞宝中綬章受章。同年、サントリー地域文化賞受賞。2022年第73回北海道文化賞受賞。

著書を拝読し、それまで抱いていた鬱積とした思いや不安が晴れていくようでした。

歴史がないこと、自分が欲していたようなものを差し伸べてくれる先達がいなかったこと、あったらもっと楽だったことや幸福度が違っていたこと。
あげればキリがないのだけど、「ないなら自分たちで作るしかないな」と腹を括ってから、手探りで走り続ける中で迷いや悲しみがなかったと言ったら嘘になる。著書の中で磯田さんは力強く以下のようなことをおっしゃっています。

この、しがらみのない多様な生き方を認め合う北の風土は、金銭で購うことの出来ない資源となるだろう。そして、サミュエル・ウルマンのいう"青春"の気概さえ持てば、北海道は一人ひとりの身の丈に合った、確かな暮らしを積み上げられる希望の大地となるのではないか。

「遙かなる希望の島〜「試される大地」へのラブレター〜」より

ないことを嘆くこと、また常に感じていたメインストリートから外れた北海道の、さらに東の方。このずっと持っていた「じゃない方」という感覚には怒りも悲しみも含まれているのだと思っています。

.dotoの第一弾を発行した時、本当に多くの方が共感し応援してくださいました。もちろんプロダクトとして優れていた部分を評価してくださった方もいらっしゃると思うのですが、決して少なくない数の方が「そうだよ、自分の地元は、道東はこんなにいいんだよ!」と一種のカタルシスのようなものを感じてくださった方が後押ししてくれたのではないか。
そのおかげで、あらゆる「じゃない方」であった北海道の右端から、.dotoは内閣府の地方創生部門最優秀賞という日本の地方のど真ん中の賞まで届いたのだと僕は思っています。

磯田さんの著書を読んで、だからこそ、ある種しがらみもない「なんでもアリ」な状態から自分達の心地よさや手触りのある暮らしを自分達でつくっていけるのではないかと、さらに背中を押された気がしました。
時間の流れやはやさ、新しさ、若さに依らない価値観を持つということは、メインストリートから遠く離れた「じゃない方」だからこそできる生き方なのではないでしょうか。

「理想を実現できる道東にする」というビジョンのもと、ドット道東や自分がやってきたことはきっと、当たり前にあって見過ごされているものや、何気ない誰かの意志に共感し、伴走してきたこと。
それを続けていくことがここでの豊かな暮らしと、自分達にとっての「希望の島」をつくっていくことになるのではないかと信じています。



明日は取材と言いつつ、そんな自分がこれまで抱えてきた思いや考えをぶつける機会にできればと考えています。きっと見てくださる方にとっても、同じ境遇・背景を持つからこそ心に刺さる言葉を磯田さんからいただけるのではないかと思っています。

この取材の模様は明日の配信と現在制作中の.dotoに僕の後日談として集録予定です。どちらもセットで楽しんでいただける内容かと思いますので(いずれも僕次第ですが笑)、ぜひご覧いただけると嬉しいです!

▼参加は以下のFacebookイベントページから

最後に「遙かなる希望の島〜「試される大地」へのラブレター〜」の中から、最も好きなエピソードの一つ「試される大地」が決定した時のお話を引用したいと思います。この本は北海道に暮らす、北海道にゆかりのある方にとっては必読だと思うので、ぜひ読んでみてくださいね。

「試される大地」キャンペーンはその翌年、思いがけなく全日本広告連盟の「全広連広告大賞」を受賞した。松山市での表彰式に出席した私は、こう述べた。「国はもとより他都府県も、決して選ぶことのできない言葉を選び取った北海道には、希望があるのです」と。そして、表彰式に現れた大都会に住む若者は、私たちが思いもよらない言葉を口にした。
「人が自然と向き合う時に大切なのは、学歴やお金ではなく、今まで何を考え、親から何を学び、友と何を語り、どれだけ人を愛したかではないか。生きてきた本質を北海道の大地によって試され、大地からの無言の言葉を体に刻み込むー。不明確で真実さえも曲げられる世の中で、これほど確かなものはない。北海道は、自分で自分を磨くことのできる大地であり、大地がこれを試してくれるのです」
受け身か否かの次元を超え、彼は「北の大地に佇むと、人としての在りようや度量が問われる、そんな自然は北海道にしかない」と語ったのだ。
その言葉に、会場にいた多くの人が心を打たれたに違いない。お金ではあがなうことのできない大地の秘める力ー「試される大地」は、若者がその価値を的確に表現した、比類なき言葉だった

「遙かなる希望の島〜「試される大地」へのラブレター〜」より
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中西 拓郎
北海道の東・道東でドット道東の代表をしています。