素人が名画を模写ったら見えてくるものがあるはず#1
こんにちは。
一時世を騒がせた素人による絵画修復大失敗ですが、善意によるものなだけに悲愴と笑いが同時に襲ってくるわけで。SNS等でも散々ネタにしていた人々の記憶から薄れていった頃、再び悲しい事件は起きてしまいましたね。というか、割りと起きてしまう出来事なんですね。
修復前と修復後(失敗)を比べると見る影もなくただただ残念なのですが、ここで私は思いました。
同じく素人の私が修復作業をしたとしても、同じく悲壮感漂う結果にしかならないのでは?
つまり、己の善意に従い作品を復元しようとした件の方々のことを馬鹿にする立場にはないと、そんな資格は私には何もないのではないかと、そう思ったわけです。
では試してみようと思い立ちました。無謀にも。実際に価値ある芸術作品を手にかける訳にはいかないので、ここで本記事のタイトルへと繋がります。そう、模写です!
私は絵画についての知識はほぼないです。ましてや技術なんてもってのほかです。専攻して学んだこともないです。パースとかよく分からないです。中学生の頃の写生大会でまぐれで入賞したレベルです。絵が上手な方は世の中にごまんといらっしゃいますので、上手な模写を期待されるようでしたら、是非ともそのような神絵師様の作品をご覧ください。
先にお断りさせて頂きますが、作品に対して貶したり侮辱する気は毛頭ありません。尊敬と憧憬をもってして模写させていただく所存です。結果として原画から著しくかけ離れてしまった場合は、どうしましょうか……全身全霊で作者様に謝罪します。
元の作品に手を施す実際の修復作業とは違い、私が試すのは模写なので難易度も出来上がりも勿論異なることでしょう。キャンパスや油絵セットも持っておりません。ここではお絵かきアプリのIbisPaintXを使ってタブレット上でデジタルに模写します。
↑このアイコンのアプリ。趣味のお絵かきにも十分使えます。
参考にするのは自宅にあった【西洋美術館】(小学舘)です。西洋美術好きにはたまらない分厚い本なんですが、色んな年代の作品が掲載されてて読みごたえ抜群ですよ。鑑賞するのは大好きなんです。観るのだけは得意。観察眼はある方だと思っています。
こちらの本から適当に開いたページの作品を見ながら描いていこうと思います。今回はp408とp409。栞が挟まっていたので開きやすかったなぁ。
掲載作品はレオナルド・ダ・ヴィンチ【最後の晩餐】。有名も有名なこちらの作品ですが、人物と部屋と背景とでコントラストがハッキリしていて綺麗ですね。キリストを中心とした構図は計算された美しさがあります。細かい解説は門外漢だし、お手元の端末で調べればたくさん出てくるだろうから割愛…。
ではでは、素人が頑張ってみた経過をご覧あれ。
まず2時間かけて描いたのがこちら
大体の配置と色を大雑把に描いた状態です。
ここまでやって思ったのは、色を作るのがめちゃくちゃ大変だってことです。素人目でしか語れませんが、色が多いんですね。遠目だと同色の服の色ですが、実は一人一人絶妙に色が異なっているんです。
しかしまぁ、あくまで参考にしているのが手元の本だけなので、実物はもっと色味が違うとは思います。
本とにらめっこしながら「この色じゃないもっと明るく」とか「この微妙な色はなんじゃ」とか喚きながら描いてます。スポイト機能が使えたなら色を簡単に乗せることが出来るんでしょうが、そのようなチートは使えません。デジタルですら苦労してるのに、アナログで元と同じ色を作るってとてつもないぞ…。写生大会で出したい花の色をどうしても作れなくて顧問の先生に助けてもらった思い出が脳裏に過りました。色んな絵の具を混ぜ合わせたなぁ。
【最後の晩餐】は重ね塗りを何度もして描かれている壁画だそうですが、レオナルド先生も表現したい色を苦労して出していたんだろうなぁと思わずにはいられない。
4時間かけて描いたのがこちら
さらに二時間使って細部を丁寧に描き込んでいきます。人物五人くらいは少しパキッとハッキリさせられたかな。
ここいらで歴史ある絵画、とりわけ壁画の模写の難しさを痛感します。壁画なので掲載されている作品の質感は壁なんですね。当たり前ですが。岩というか石の表面のザラザラしている感じ…、素人の私にそこまで再現して描くのは無理です…。その上壁画の損傷や侵食のため細かい箇所がどうなっているのかよくわからんというもどかしさ。テクスチャをペロッと張ったら良い感じに質感は出てくれると思いますが、今回はしません。
二時間使ってもそんなに進捗率変わってないように見えて、早速挫かれそうです。
今回はここまで。
どの程度時間をかけて描くのか我ながら見物ですが、素人が一日や二日で出来るものとも思っていません。気長にお待ち頂けると幸いです。
最終的に原画とどれ程相違があるか…。次回もお楽しみに!
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