結婚の奴/能町みね子

年末年始の帰省のお供を読もうと決めていたこれにした。
飛行機の往路2時間、復路2時間でちょうど読み終えた。
サムソン高橋さんの「ホモ無職、家を買う」を先に読み、SNS上のやり取りも眺めていたので、同居までのいきさつはプロジェクトの裏側を見るような気持で楽しく読めた。
能町さんの過去の恋愛のくだりから、なんだか重苦しい気持ちになり、雨宮まみさんについての記述は鼻をすすりながら読んだ。
最後の章では驚きつつも、でもこの出来事を話せる夫(仮)がいるって最高ではないか、となんだか爽やかな気持ちになって読書を終えた。

これを読むとどうしても自分の過去の恋愛だとか結婚について振り返りたくなってしまい、いろいろ考えてしまった。
結婚は「生活」だ、というのは恋愛結婚でもそうでなくても変わらないだろう。
むしろ、恋愛結婚でない方が相手に求めるものが少なくていいのではないか?
私の両親はお見合い結婚で、夫婦仲がすごく悪かった時期を近くで見ていた私は「こんなに性格が合わないことに気付かないなんて、お見合い結婚ってとんでもないな」という感想を抱いていたため、「結婚するなら絶対恋愛結婚だ」と思い込んでいたが、お見合いでも恋愛でもない、という選択肢もあったのだな。
しかしそんな両親も今はわりと仲良く暮らしており、人生の正解とか間違いとかよくわからんな、なんでもありだな、と思う。

とにかく生き延びることだ。何があっても、しぶとく、図々しく。

ちなみに能町さんの連載の中で一番好きなのは「雑誌の人格」です。おすすめ。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?