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俺のヒーロー、森友哉

4月3日、今日は雨が降っていて、仕事に行きたくないな~などと思いながらTwitterを眺めていたら、「森友哉 登録抹消」の文字が目に飛び込んできた。

なんで? なんでだ? 絶好調の山川が怪我をして離脱して、そんなまさか森くんまで怪我で離脱? 野球の神様がいるとしたらマジでしばき倒すぞ本当に。なんて思いながら、続報を待った。

結果、森くんの骨折は「右示指基節骨骨折」というもので、どうやら右手の人差し指の付け根のあたりの骨折らしく、全治はだいたい2か月くらいとのこと。

そんなとこいつ怪我したの? もしかしてずっと痛みを押して試合してたの? どういうこと?
困惑するファンに、3日の試合終わりに理由が明かされた。どうやら2日の試合が終わったあと、ロッカールームでキャッチャーマスクをぶん投げて骨折したらしい。

試合中の怪我ではない、ということに、正直いちばんはじめに浮かんだ感情は「何やってんだよ!!!」だった。それはもう許してほしい。いや、マジで、何やってんだよ。

森友哉という選手がどんな人でどんな想いでもって試合に臨んでいるのか、多分西武ファンはみんな分かっていると思う。真の意味での理解はともかく、他の選手や球団から語られる森くんについての話や本人のインタビューで見えてくる、西武ファンの想像する森友哉という人物像は、大体みんな似たり寄ったりなのではないかと思う。

輩で、ヤンチャで、でも野球に対しては人一倍真面目でストイック。繊細で背負いすぎてしまう。己の出来不出来に厳しく、誰よりも真摯に向き合う。

多分、人によって認識の差異はあれど、似たような感覚でもって森くんを見ている人が多いのではないかと思う(わたしのTwitterタイムライン調べなので、主語がデカくなってたらごめん)

少なくともわたしは森くんに対してそういうふうに思っていて、そして、”西武ライオンズの正捕手”としていろんなものを背負いながら試合に臨んでくれていると思っている。


だからこそ最初に、「何やってんだよ!」が出た。


もちろん、物に当たるなとか、それで怪我するとか意味わからんとか、そういう理由もないわけではないんだけど。
どちらかといえばこの「何やってんだよ!」は、「なんで森くんが森くんを大事にしないんだよ!」とか「森くん本人が森くんの評価を下げるようなことをしないでくれよ!」とか、一言で形容しづらいんだけど、そういう感情の何やってんだよ!だった。

森友哉は、誰よりも頑張っている。ファンならみんな知ってるしわかってると思う。西武ライオンズの選手はもちろんみんな頑張ってるんだけど、その中であって森くんはずっとずっと、正捕手として頑張ってくれている。打線の要としても期待されて、苦しい中でも自分の目指すところに邁進して、時には涙を流してでも、西武ライオンズの真ん中の柱として立ってくれている。

それを知っているから、そうだと思っているから、森くんが感情のままに怪我をしてしまったことで、森くんが森くんを否定して、周りから何か言われてしまう状況をつくってしまったことが悔しかった。


ここで隙あらば自分語りをするのだけれど、わたしは本当に、森友哉のことを「ヒーロー」だと思っている。

別に普段推し!と思っているわけでもなければ、熱心に森くんの話をするわけでもないけど、でもわたしの中でいつでも森くんは明確に別格だった。

大好きな選手はたくさんいるし、応援するぞ!と決めている選手もたくさんいて、これから頑張ってほしいもたくさんいて、そもそも西武ライオンズ自体が大好きで、だから、みんなのことを応援しているのだけれども、他の球団にいってもどんな形になったとしても、絶対に応援し続けようと思える選手はそういない。

そして、そうはいないうちの1人が森くんなのだ。楽天だろうが巨人だろうが阪神だろうがそのほかの球団だろうがどこだろうが絶対に応援したいと思える選手の1人が森くんなのだ。

人の思う「ヒーロー像」っていうのは様々だと思うけれど、森くんの泥だらけの背中はいつだってわたしにとってのヒーローの背中だった。

決して、自分が苦しい時に光を与えてくれるような太陽のような選手だとは思わない。でも、苦しい時に足掻いて足掻いて、人間らしく弱さを見せて、それでもまだ苦しみながらでも自分の背中で引っ張っていこうとしてくれる姿は、誰よりもかっこよくて、どんな言葉よりも、勇気をくれる。

だから、わたしは森くんのことをヒーローだと思っていて、そして今日、それを強く実感した。


もちろん、森くんに対して幻滅したとか、バカなことをしたという意見があるのなんかめちゃくちゃ当然だ。

山川が離脱して苦しくなった打線の中で森くんにかかる期待、正捕手としての重圧、バッテリーで勝ったと言われるように頑張りたいという森くんの思いとは裏腹の結果たち、そして自身の目指すモノとは程遠い連日の打撃。

ファンが勝手に想像する理由なんかいくらでもあるし、そして事実だけみれば、そういう理由のうちのどれかで”思い通りにいかないことに腹を立てて物に当たった輩”という受け取られ方をして当然だ。実際、そういうところがないわけじゃないとも思う。

でも、ファンはそれを見て何を言うのが、どういう姿勢を示すのが正解なんだ?
これで森くんのこの行為を「ただのバカなこと」「幻滅すべき事象」としてファンが断じてしまうのは、本当に正しいのか?
背景を考えず、突然こんなふうに逆風が吹き始めたチーム状況のことも鑑みず、行為だけを切り取って何かを論じてしまっていいのか?

わたしは絶対に、「よくない!」と言いたい。「だから応援するんだろうが!」って言いたい。絶対に絶対に言いたい。


今まで森友哉が野球に対して見せてきた姿勢は全部本気の本当で、ファンに見せてきた涙も憤りも、全部本当の本当なのに、こんなことで森友哉の価値が決まってたまるか。本当に。絶対に決まらないし、こんなことで応援を止めるなんてことも、森くんが否定されるなんてことも許せない。そして、森くん自身が森くんの価値を下げてしまいそうなことをしたのが、本当に悔しい。森くんに、森くんを信じてほしい。わたしのヒーローは、こんなもんじゃねえと言って回りたい。


2020年8月27日の試合。打撃も不調で、捕手としてもつらかったシーズンの中にあって、試合途中からマスクを被り、そのあと逆転をされて、けれど山川の一打でまた試合をひっくり返して勝利した試合。あのときの森くん涙を、西武ファンはみんな忘れてない。

2021年、チームは最下位だったけど、森くんはちゃんと3割打者という目標を達成して、捕手としてもあの投手陣を相手に捕逸3とか、捕手としてもめちゃくちゃ結果を残した。苦しくても、走ってくれていた。

そもそも、入団したときには「捕手は無理」「ライトやらせろ」「クソガキ」とか言われまくってた男が、捕手としても打者としても欠かせない存在になっていること、さらには若い投手を支え、捕手陣を引っ張り、チームの要になるまでどんだけ頑張ったのという話なんですよ。

マジでそんなふうに苦しみながら西武ライオンズを背負ってくれている男が、本当に苦しんでいるときに、ただ切り捨てるなんてことはしたくなくないですか!?


ファンが期待しすぎたらいけないのかな、とか、応援が重荷になるときがあるのかな、とか、いろんなことを考えたけど、こういうときにファンができるのって、応援すること、期待することだけなんだよ。
「森友哉なら、絶対にこんな不調を跳ね返して、荒れた気持ちなんて跳ね返して、またやってくれる」って信じ続けることだけなんだよ。


だから、勝手にヒーロー視すること、勝手に森友哉を語ること自体がおこがましいことだとしても、重荷になるとしても、どうせ森くん本人がこの記事を読むことはないんだから勝手に語るし主張したい。


ヒーローは、いつだって苦しさの中にある。

その苦しさを理解することは一般人であるわたしには絶対にできないけど、ヒーローを信じて、応援して、いつかその苦しさがなくなるようにと祈り続けるし、森くんはどんなんでもヒーローだし、勝手にヒーロー視し続けて絶対に応援し続ける、今回みたいなことがあったら何やってんだよバカ!!!お前はお前をもっと大事にしてお前をもっと信じてくれ!!絶対に早く帰ってこい!!!お願いします!!お前が必要森友哉!!!って声を大にして言っていこうと思います。

お前が必要!!!!森友哉!!!!!!!!!!!!!!!!


早くかえってきてね。


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