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遠隔のプログラミング演習講義をどのように成り立たせるかの記録(第2弾):askTAシステムすごかったの巻

先日、下記のような記事を書きました。まぁ、とりあえずプログラミングの初年次の演習教育を、どうやって遠隔で実現したらええねんという話です。で、かなり準備してきたのに、初回で討ち死にして、その後改善をはかり、なんとか第2回を乗り切ったというところで終わっていました。

あの時点で多少書いていましたが、なんとか採点システム・採点結果可視化システムはうまいこと動作していき、課題の調整もなんとかなったので、積み残しとしては、「採点の手間に関する問題」と、学生120人に、TA6人(本当はもう少しいるのだけれど、採点業務にも回るため6人くらいしか割くことができない)状態で、「TAさん1人で20人の学生さんの質問をどのようにしてさばくか問題」がありました。

特に、Remoは学生さんの端末に入り込んで操作することができないので(Zoomは権限をもらって操作することが可能)、それをどうするのかというのが大きな課題でした。

まず、採点の手間に関する問題については、高橋先生がシステムを改良し、課題が提出されているかどうかを自動チェックする仕組みと、手軽にその課題自体にアクセス可能な仕組みを実現してくれたため、一気に改善されました。また、スプレッドシート上で学生の課題チェック状況が可視化されていたのですが、課題チェック前に課題の再提出が発生すると、スプレッドシート上でその課題はチェックしなくて良いとフラグが立つようになったので、二度手間もなくなり良い感じとなりました。

TAさん1人で20人の学生さんの質問をさばく問題については、これは完璧に又吉くんのおかげなのですが、askTAというシステムを開発してくれました。

askTAシステム、ある課題に関する質問があれば、まず自身が3組なのか4組なのか(組によってフロアが分かれているため)、どの課題がわからないのか、何に困っているのか、そして現在のプログラムはどんな感じなのかをシステムを通じて投稿します。

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すると、TA待ちのところにリアルタイムに質問が入ってきます。ので、手の空いたTAさんはその質問をチェックし、

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んでもって、TAさんが質問をチェックして、

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TA待ちから、TA対応中にステータスを変更すると...

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その課題をTAさんがチェックする準備ができたことが、その質問をした学生の画面に、どの席に移動するかも含めて通知されます。しかも、質問対応に関するジングルも鳴るので、質問対応されたことに気づきやすいです!

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しかも、このシステム、なんと質問する学生さんとTAさんとがリアルタイムに同時編集でき(また、Remoで相互の音声通話ができるのでそれでやりとりをしつつ)、しかもしかもこの画面内で実行することで動作検証することができます。すごい。

対応が終わったら、TA終了を選ぶことで、この質問のステータスを終了に変更することができます。あと、対応しているのに学生さんが反応しなかったら、保留することもできます。また、学生さんは待っている間に解決したら、質問のキャンセルを押せばキャンセルできます。ちなみに、質問者とTAの名前もシステムの上で併記されていますので、わかりやすいです。TAさんが複数いると、TAさんの名前がたくさん並んでいくことになります。

このシステムのおかげで、見事120人の学生さんを、6人のTAでさばききることができました。もちろん、全員が質問したわけではなく、スプレッドシートで採点結果を提示しているところで、具体的な問題点を提示し、また、他人のダメだった点も可視化されているので、そこである程度質問対応を減らせた可能性はありますが、まぁこのシステムがなかったら無理だったでしょうね。

ちなみに、学生さんにとって、いきなりTAさんの待機するテーブルに飛び込んで、質問をするのはやはりハードルが高いものなのだと思います。また、同じTAさんのところに行く学生さんが多く、これは前回お願いしたひとのところに行くと安心感があるということが影響していたのだと思います。一方、このaskTAシステムは、質問はシステム上で行って、システムからTable呼び出しがかかるものとなっているため、質問のハードルを下げることもできているうえ、一部のTAさんに集中しないので良い感じです。

ということで、又吉康綱くんすごいという話でした(システムについて口出ししたのは、通知のところだけなので、ほぼ彼の独力です。すごい)。


と、まぁここまでは良かったんですが、最後にトラブルが待っていました。

私が配布していたプログラムにミスがあり、それが理由でハマっている学生さんが多数いることが判明。これはやばいとRemoでプレゼンモードにして解説をしていたのですが...

Remoのプレゼンモード(全参加者向けにプレゼンするモード)で話をしていた途中で急にデスクトップPCが電源断。再起動するも、今度は研究室のネットワークにつながらない。どうも研究室のネットワークがおかしいことが判明。もしものときのためにもっていたモバイルWIFIに接続、モバイルWIFIが研究室でまともに入らない。仕方なくテザリングしてデスクトップPCで接続。しばらくできていたんだけど、またデスクトップPCが電源断。その間、iPadでリカバリを図ろうとするものの、Remoのプレゼンモードは、どうもiPadからはキャンセルできず、デスクトップをなんとかする方向で調整。

Remoは、講演者がプレゼンモードを開始してしまうと、テーブルの人同士で会話できなくなるうえ、TAさんとの質問の対応もできなくなるため、私が操作不能になってしまうとみんな相談できなくなるという困った感じになってしまいました。

締め切りを伸ばす、解説は全部YouTube動画で用意するなど色々でなんとか対応しましたが、いやぁ、冷汗かいた。学生さんたちにも迷惑をかけてしまいました。

まぁ、これについてはイベントの管理者が私だけだったのが問題だったので、講義の後に講義を一緒に運用している先生方にも管理者になってもらうことで解決。次回からはもし電源断してもなんとかなることになりました。

やっぱり遠隔講義のときは、パソコンを2台用意しておき、いざというときのために対処する&ネットワークもトラブルが合ったときには別回線にすぐ移行できるようにしておくなどが重要ですね。勉強になりました。

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