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思い出す瞬間

なんとなくスーパーで買ってきた鮭を焼いて、久しぶりにおむすびにしてみた。

鮭は時々買うし、いつもだったら焼き立てを晩御飯でおかずの一つとして食べるから
おむすびの具に食べたのは、ものすごく久しぶりの事だった。

このなんてこない、全部スーパーで購入できる材料で作ったおむすび。
一口かじっただけで、子供の頃の記憶が蘇った。

遠方に住む祖父母の家に行く時、父の運転で数時間のドライブが夏休みの定番だったんだけど
その時に、どら焼きが数十個入っていただろうサイズの箱いっぱいに
鮭と梅のおむすびを母が朝から作ってくれるのも定番だった。

私はあまり梅が好きじゃないので、鮭しか食べなかったけど
大人になって自分が握ったおむすびを一口食べた瞬間
この時の車内の匂いや、窓から見た外の景色や、車の中で流れてた音楽
食べてる途中でおむすびが崩れて、ごはんをボロボロこぼして怒られた事
海苔がちゃんと被さってなくて、お米がカチカチになったとこが嫌だと思った事
どれでもどうでもイイ事だけど、そんな事を思い出した。

そういえばと思い出したけど、運動会や、ちょっとしたピクニック
遠足とか学校の行事の時は、いつだって鮭おむすびだった気がする。
しっとりタイプの海苔から、コンビニみたいなパリパリタイプがイイ!
と専用のフィルムを買ってきた母が、家のお弁当レベルでないおむすびを持たせてくれて
お弁当の時『スゲー!』と友達に言われて、ちょっと自慢気にパリパリ音を言わせながら海苔をかじった事も思い出した。

ちょうど私が小学生くらいの頃、コンビニのパリパリ海苔のおむすびが出てきて
休みの日の朝、わざわざそれが食べたくて、家族分の大量のおむすびを買いに行った事もある。
その出来立てを食べるカンジが新しいカンジで、なんとも美味しい気がした。

でも家で食べるなら、まさに今握って、海苔を巻けばイイ事だったのに
あの時はわざわざあの売ってるヤツが食べたかった。

そういえばおむすびエピソードでこんなのもあった。
学校の登山の時、パリパリタイプの鮭おむすびをお弁当に持たせてもらったら
いざお昼に食べようとフィルムを外した瞬間、納豆ごはん?って糸を引いて
えっ?腐ってる?って事になった事もあった。
それ以来、お弁当で持たせてもらうおむすびは梅になってしまったんだ。

小学生の後半からは、もう自分でお弁当を作るようになった私は
おむすびのお弁当にはしなかったような気がする。
だから最後に母がお弁当として作ってくれた鮭おむすびは、これが最後だった気がする。

もうそこから鮭のおむすびの記憶がだいぶ無い。
大人になって、主人と同棲してた頃、美味しい鮭をもらったから
これでおむすびにして、お弁当として持たせてあげよう!
が一番最近の記憶だけど、それももう20年くらい昔の事だ。

このなんてことない鮭おむすびを、なんとなく作った休日のお昼
一口食べただけで、これだけの記憶が蘇ってきたってスゴイな。
主人は特別そんな思い出は無いみたいだけど、『スゲーうめー!』と
翌日のお昼も同じのがイイ!と鮭おむすびを食べました。

今はどこに行っても何でも買えるけど
売ってるおむすびもいくつも食べて来て
改めてやっぱり家のおむすびがイイなと思います。

家のごはんはぼんやりがイイ

まさにコレです!シンプルな材料で、テキトーな塩加減。
余計なモノが入らないとはこういう事か!が最近やっとわかってきました。

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