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【400字小説】生クリームの湖にダイブ

あなたと抱き合うのは体がベッタベタになるから好まない。裸になればあの3万円の腕時計を思いきって買えるはず。30万円のサングラスしてるあなたの気が知れない。お金持ちなのは正直魅力だけれど、言い寄られるこっちの身にもなってほしいな、拒否感。

ユーガッタマネーで構わない、アイガッタソウルしたい。わたしは幸せにはならない。お金とかセックスとか二の次で、わたしは絵を描き続けるの。《楽しいから描く》がわたしにとっての生きるということ、それでいいじゃないの。あなたに買ってもらう筋合いじゃないわね。

生クリームの湖にダイブ、生クリームの湖にダイブ、生クリームの湖にダイブ。

誰にも理解されない絵を描きたいわ。生クリームまみれで描くのも悪くないって今なら思う。腐った匂いに殺されそう。今夜あなたの部屋に行くのは、そういうことじゃないから。あなたみたいにあまちゃんじゃないのよ。炭酸水のシャワーで生クリームを洗い流したいだけ。

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