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【400字小説】物質ではない

死んだらただの肉塊になるだけ。
魂なんてない。
神様なんているわけない。
ゲイじゃないから誘ってこないで。
まぐわりたい、女子と。
できるだけ若い人。
心だけ許せる人。

でもゲイであることに
芸術性を感じているのは確か。
卒業してもう会えないと痛感していたけれど、
それほど鋭くはなかった。

むしろいつだって会える。
今が令和で良かった。
昭和だったら、会うことはもちろん、
LINEなんてなかったから、恋は困難。

恋も物質ではない。
バグった脳の仕業。
ただまぐわるために生まれてきただけ。
子どもができないで、良かったのか悪かったのか。

一生独身てのも手だし、
生き方になんやかんや言われるのは
平成までで十分。
カート・コベインも最早、使い捨ての
ファッションにされてしまった。
最も嫌っていたビジネスに飲み込まれたな、皮肉。
凄惨な自殺だったって
若い人は知らないのでしょうか。
カート・コベインも人の子。
神様ではないってこと。
ましてや物質の《ぽさ》もない。

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