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【400字小説】めまい

貧血でひっくり返るのは、決まって水曜日の全校集会で。この頃は宮沢先生が横に立っていてくれる。先月から「椅子に座るか」と提案してくれるにも関わらず、拒否して、でも、結果は決まってぶっ倒れる。誰も心配はしてくれない。

わたしもどうかしていると思う。誰にも言えないけれど、めまいで気持ちが切れる時、何とも言えない快感を覚えるの。そんなこと、誰にも言えるわけないじゃん。

ところで《めまい》と《貧血》は同じものだよね? 言葉って難しい。考えすぎると渦巻きに吸い込まれるから、ほどほどにしないと。わたしは言葉を大事にするタイプ。言葉はどんな感情にも対応するし、間違うと人を自殺に追い込む怖さもあるよ。選び方が重要で、喋る時、書く時、綱渡りな感覚で使っている。

校長先生の朝礼はタメになりすぎる。深く考えさせられる。ああ、やっぱり校長先生の話を最後まで聞きたいかも。来週から座ろうか、やめようか。ぐるぐる考えて、めまいが。

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