【400字小説】きみはどうしたいか
娘がフライドポテトばかり食べていて、将来が心配。
母親だからわたしが健康的な
献立を考えなきゃいけないのにね。
「ポテト食べたい!」って言われると、
かわいそうになって、
冷凍のを揚げたりしてしまうのです。
思春期真っ盛りの彼女、
成長期まっしぐらの中学生。
(今は良い、取り返せるから……)って
意味不明な理由から、
乱れた食生活を許している。
つまり、わたし自身を許してるってこと。
ダメな母親だな。
きっと成人してから娘に
「なんてことしてくれたの!」って
怒られるんだろう。
その時はその時で後悔しながら
涙して許しを乞うに違いない。
それじゃ手遅れなのに。
「モス食べたい!」って
《贅沢》の漢字も書けないから
娘はまたジャンクフードを求める。
でもモスってジャンクな感じしないじゃない?
だから、今日も夕食をファストフードにお任せ。
母親として何をしているのか。
洗濯や掃除くらい?
手作りの食事は滅多に作らない。
離婚してる場合じゃなかったね。
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