【400字小説】恋愛という名の落書き
フラれにフラれまくった10代後半。だから20代前半は恐れて自分から恋をしなくなった。一転、20代後半は、超*肉食に変わって、みっともないほどだったけれど、おかげさまで27歳で童貞を卒業。「初めてだったの?」ってバカにされたのは、ご愛敬ってものだ。
「初めて見た映画は『スターウォーズ』だった」
「わたしは『ゴールキーパーの孤独』」
愛していたのに、その会話から嚙み合わない運命を感じてしまった。なのに性欲に負けて、ボクはずるずると彼女と過ごした。
30代最初の日に結婚。子どもが彼女のおなかの中にいて幸せのフリ。怖かった、父親になることよりも、偽りの愛を続けていくのが。そんな落書きみたいな恋愛をするつもりはなかった。ちゃんと結婚を前提にして付き合って、たくさんの友人に祝福されて式を挙げる。馴れ初めはありきたりがいい。そんなふうに思っていた。あれから20年が経って恋愛は失敗のない落書きだって、やっとわかったけどね!
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