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【400字小説】地獄! ゴールドエクスペリエンス!!

初めてキッスを聴いている帰り道。
イロモノだと思っていたら、
しっかりロックしてるじゃん!
ちょうど◎のリズムに思わず体が揺れる。
それでいて重たい音には
ボディーブローを食らわせられてる気分。
文字通りのヘビーロックじゃね~かよ。

わたしはこの感動を早く誰かに伝えたいが、
キッスを教えてくれた同僚のSさんの連絡先を知らないのだ。
仕方なく母にLINEしたわけだが、通じるわけないよね。
10分経っても既読にならないので諦める。

いつもの駅で降りて隣接するスーパーで
4割引の弁当を買って、家。
夜道の街頭はいくつかが切れかかっていて点滅していた。
そこで電車の中でのボディーブローが効いてくる。
耳と脳をキッスに持っていかれる。
スマホが震えたが無視した。

家に帰ってさらに爆音@ヘッドホン。
酒と弁当を流し込んで眠る。
翌朝、ようやく母からのLINEに気がついて
「あなた育てながらキッスよく聴いたわよ」
って書かれてて、カッコいいはずだと腑に落ちた。

◆◆◆

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