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【400字小説】囚われの実

小説が世に受け入れられればbest?
成功はしたくないんだ。
自分のしたいことがわからずにいる。
美容院の女性に恋するくらい
明確でわかりやすくはないみたい。

《自分らしく》に囚われて迷宮入り。
そんなことで足踏みしているようじゃ
芸術家にはなれない。
いや、ただ在る。
そうありたい。
生きてるって叫ぶ必要もないじゃないか。
世界にひとつだけの花じゃないさ。
宇宙を見渡しても、わたしはわたしで在るしかない。
どうしたら、その境地にたどり着けるのか。
それが求めている答え?

正直、金が欲しいのは山々で、
でも小説家じゃ稼げねえよ、
そんなにバカじゃない。
じゃあ、なぜ小説なのか。
好きだからだ。
それだけで在れば、良いのだ。

これは小説なのかって考えちゃったらいけない。
それで満足しなくちゃ。
ビジネスに巻き込まれるつもりは毛頭ないのに、
何もわからずにいるのは、
金のことがチラついている証。

美容院の女性店員さんにモテたい、
その方が純粋な想い。

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