【なかがわよしのの61曲カヴァー企画】「ブルーでハッピーがいい」Chocolat

ハヤトの青い車に乗っている、海に向かって。ギャンブラーのマユコは数年ぶりに帰国。「親からさ、ちゃんとした仕事に就くか、結婚しろって、言われてるんだよね」と助手席で愚痴を吐いた。「結婚する相手はいないの？」とハヤトが。「良かったらわたしとしない？」とマユコは返す。

「そんな気さらさらないくせに」
「嘘じゃないよ」
「嘘が上手じゃないとギャンブルの世界では
生きていけないでしょ、らしくない」

マユコは嘘を吐いていなかった。幼なじみと平凡な家庭を築くことに憧れがあったのだ。唇を噛んでいると、車窓に海の青が飛び込んでくる。「海だよ、海！」とハヤトのテンションは上がる。マユコは海外遠征で嫌というほど海を見ている。しかも、もっと美しい青を。でも、マユコも「やっぱ海はいいね～」とつぶやく。するとハヤトが「嘘言ってるでしょ」と見抜く。ハヤトは鈍感なのか勘が良いのかわからない。だからポーカーで勝てる確信は持てなかった。

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