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【400字小説】悪魔はチャンス

恋はチャンスで、チャンスは恋だってあのバンドが歌ってた。
30年前って自覚がなくて、時間は止まったまま。
記憶なんて置いてきっぱなしだから、
新しい思い出なんか出来ない。
それは白くて四角いか。
知的で素敵な詩を書いてみたい。

井上陽水がすごいことを知った、今さらだよ、50歳。
「ま~あだだよ!」ってあの人が言ったら
秘密基地に帰ろう。
ひとりでに書ける小説なんてないんだよ。
記憶を全動員して書いてる。
全部実話って書いたら
全員信じるからバカみたい。
長い小説は長いこと書いていないので、
夏になる前に書かなければならない。
でもMよりは書いてるから、ご安心を。
悪魔のカードを連続で引いたのでゾッとしたんだが、
それはチャンスかも知れないって
《かも》なんだよね。

妻が帰ってこない。
だからって普段なら寝ているはずの夜中に
小説を書こうとすると、こういうことになるのだ。
チャンスなんて平等にあると思うな。
猫が膝をご所望なので、そろそろ。

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