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【400字小説】熱すぎるコーヒーを

仕事で失敗したことを引きずって、反芻。
スタバで癒そうって久しぶりに駅前ビルの。
入店してしばらく並んでいたのに、
何にするか、注文の思考、✕。
やっぱり自分って仕事できないんだろうかって自虐して、
笑えたら良かったけど、そんな余裕はあるはず、なく。

ようやくレジ、自分のターン。
あ、と思って注文を決めてないことに焦った。
とりあえず目に飛び込んできた
「コーヒー、ショートで」を伝えたら
店員さんが「ドリップコーヒーでよろしいですか?」って。
その声が美人だったので思わず顔をあげたら、
想像以上の美しさで、いろいろ吹っ飛んだ、固まる。

ま、ま、ま。

自分でもあからさまにフリーズしていることに気づいた。
耳に店内BGMのママス&パパス
『夢のカリフォルニア』のイントロが響く。
それで、やっとハッとして
「ドリップコーヒー、アイスで」と言った後、
まだ寒いことを思い出して、
ホットにしとけば良かったなんて後悔する暇は、
美人すぎてなかった。

◆◆◆

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