Galaxy Tab S6 Lite(2023)試用とS penの互換性について
このたび発売されて間もないサムスンのAndroidタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」の開封テストに立ち会い、その際にSペンを試すという機会に接しました。
アイビスペイントで絵を描いてみた
普段使っている「アイビスペイントX」をインストールさせてもらい、設定を大雑把に再現した上で用意していた素材をもとにラフ画を描いてみるテストを行いました。
思っていたよりも描きやすかったというのが率直な感想です。
比較対象は普段使っているiPad Pro 10.5インチと第一世代Apple Pencilですが、ペン先とかガラスフィルムの質感の違いは当然あるのでそこは除外するとして、その感覚に慣れてしまったら線を引くという作業に関してはGalaxy TabとSペンは遜色なく作業できるという結論に達しました。
(感覚に慣れるのに時間がかかったのでラフを描き上げるのに普段の倍くらい時間がかかりましたが)
ペン先と実際に線が引かれる場所の視差は気になりませんでしたし、ペンを走らせてから実際に描画されるまでの遅延も気になりません。
そのへんは完全にiPadと遜色なくてペンの傾きや筆圧に関してもあまり差がないように感じました。
S6 Liteは6万円を切る価格で上位モデルとしてS8+などのモデルもありますが、Sペンが付属していてこの価格でiPad Proと遜色ないレベルの作業ができるということに率直に驚きました。
現在アイビスペイントの有料サブスクリプションを利用しているんですが、この課金はプラットフォーム単位でされるものなので、iOS/iPad OSは現在の契約で端末を乗り換えても引き継ぐことができますが、もしAndroidに乗り換える場合はGoogle Playでも課金契約をしないといけないようです。
iPhoneからAndroidに完全に乗り換えるなら契約先を変えるだけで済みますがiPhoneやiPadを使わなくなるということではないので、Androidタブレットを併用する場合はちょっと悩ましいことになりそうです。
ペンの互換性について
以前iPadが一月近く不調で代替の環境を検討せざるを得ない事態に陥りましたが、そのときは幸い修理が間に合いました。
このときも「書き味」という点がかなりネックになっていました。
以前からあるお絵描きタブレット、ドスパラの「DG-D10IWP2」(販売終了品)は先の検証でも「筆圧がうまく反映されていない気がする」という不満がありました。
(アプリの筆圧感度設定を敢えて強めに設定してどうにか使っていた)
またVEIKKの液タブを使った検証ではPC側のスペックがある程度あれば描画の遅延も少なく及第点という感じではありますが、普段タッチパネルでの操作に慣れていると液タブでの作業は直感的ではない(と感じる)操作性に違和感がつきまとい続けたのと、使う際にいちいち接続するのが面倒という二点が難点でした。
とはいえこれは液タブが悪いのではなく、iPadでの作業に最適化しすぎている私の作業環境の特性と、据え置きできない運用環境に起因するものです。
話をGalaxy Tabに戻すと、Sペンはプロトコルとしてはワコムの電磁誘導(EMR)タイプのFeel IT Technologyに準拠しています。
当然同梱品が最も相性良く使えるよう最適化はされてるでしょうが、同じプロトコルを採用しているスタイラスペンであれば互換性があるのでは。
Feel IT Technology準拠の製品というと、ちょうど前述のドスパラお絵描きタブレットがそれにあたります。
早速スタイラスペンを引っ張り出してきて動作検証を実施しました。
結果として反応している感じがしない。
駄目なのかなと思っていたら、下記の記事でDG-D10IWP2付属のスタイラスは筆圧が弱いとの記述があります。
ちょっと怖かったのですがかなり強めの筆圧をかけたところ、Galaxy Tabでも反応することを確認できました。実用には耐えませんが。
ここでふと思います。
お絵描きタブレットで筆圧を反映してる感じがしないと感じたのは端末側の問題というよりスタイラスペンの特性のせいなのでは?
早速検証のため、お絵描きタブレットを久々に使います。
検証のために筆圧感度設定をデフォルトに戻した上で、付属のスタイラスペンとGalaxy Tab S6 Lite付属のSペンを使ってお絵描きタブレットに線を引いてみました。
画像の通り、付属のスタイラスだと非常に線が細く、筆圧を強めてもあまり反映されている感じがしません。
対してSペンは筆圧の検知の幅が狭い感じがするのはあまり変わらないのですが、通常の筆圧でもある程度の太さが確保できているのと、筆圧を強めると強めたなりにちゃんと線の太さが変わるのを感じます。
筆圧感度設定を強めに設定すると、もう少しメリハリがわかりやすいかもしれません。
(このタブレットでアイビスペイントを使う場合、筆圧感度設定はどのみちいじらないと使えないということがはっきりしました)
これなら代替環境としては及第点を出せます。
Wacom One互換のスタイラスペンに交換するだけでも、このタブレットでの使い心地が変わりそうということがわかりました。
どうやら後継製品である8インチ版タブレットに付属していたスタイラスのほうが良さそうなんですが、こちらも既に販売終了で入手できません。
Wacom Oneの専用スタイラスか、Hi-uni Digital for Wacomあたりが現実的な代替先なんでしょうか。高いけど。
しかしいかんせん、ハードのスペック不足でペンを変えたところで描画の遅延は避けられないようで、そこは妥協して使うしかなさそうですね。
余談ですがVEIKK液タブのスタイラスペンでGalaxy Tabの操作を試みましたが、なんか反応はしているんですが誤動作しかしないので、やはり電磁誘導とはいってもプロトコルが違うようです。
Androidタブレットも代替先として現実的に
今回Galaxy Tab S6 Liteを触った感想として、今後iPadの価格高騰で代替が厳しくなった場合は移行先としてAndroidタブレットを検討することも現実的になってきたのを感じます。
課金の問題は別途検討するとして、具体的な選択肢が見えたことで今後のことを考えやすくなりました。
またスタイラスペンを変えることで作業性が変わるということもわかったので、色々と試行錯誤する余地もできたかと思います。
今後のことを考える上で、いろいろと学びになりました。
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