There is just one thing I need
気温の感じが非常に好ましい季節になり素晴らしいことだけれども、上着やインナー選びには予断を許さない状況が続いている。慢性的な鼻炎持ちなものだから、ちょっとした寒気をキャッチしようもんならサラサラとした鼻汁待ったなしである。折角の穏やかな秋冬にケチがついてしまう。
ちょっとした着間違い(きまちがい)でじわじわ体調を削りかねない、ともかくも日々ジャストな衣服を身につけねばならない。オシャレの話ではない、温度調節の話である。
風邪を引かないようにということであれば羽織るものをゴリゴリ準備したりとか、厚着に越したことはないんだけれども、薄すぎず厚すぎず過不足ない格好を選ぶことで、好ましい季節を好ましいままに、嬉しく過ごすことができる。「過ごす」を「嬉しく」で修飾するのがミソ、せっかく夏という、理不尽で何の取り柄もない、馬鹿で粗暴な季節をみなで乗り切ったのだから、ぜひとも素敵な空間を嬉しく過ごすべきである。
夏はバカ、デザインは知らんけれども毎日抗う余地もなく限度いっぱいの薄着を選ばざるを得ないという点でバカ、乱暴で下品な季節である。冬がめちゃめちゃ好きだ、早く不意をつくようにお昼のラジオからマライアキャリーが流れてほしい。All I want for Christmas is youだ、まさにあなただ、マライアキャリー、あなたが歌ってるだけで冬はもう最高だ。
ケツメイシもゆずもオレンジレンジも僕たちを夏から救ってはくれないけど、冬はただでさえ最高で、マライアキャリー、あなたがいればもういっそう最高だ。あとはお鍋とイルミネーションと、品良くトレンチコートをまとい駅前で気もそぞろに彼の到着を待つ淑女、その辺があればもう言うことはない。あとはもう、自分だけ、自分がたくましい顔で冬に突入しているのか、それだけ。
ずっと緊張している。ギリギリまで細かく、綿密な修正に腐心することと、「とはいえ楽しくやれた方が良いパフォーマンスができるものな」がせめぎ合っているけれども、いよいよもう後者に分があるかなと腹が据わってきた。
嘘、腹も肝も据わるはおろかちょっとした拍子にうずきまくっているけれども、やれることはそう多くはない、残り数回のチャンスを良きように、大切に活かしていくしかない。
そういう意味では今日のライブは良かった、ああ、こう口から放ったら僕からはこんな音が出て、こうぐねったら(どこを?とかないけど、ぐねったら、ニュアンス的に、ぐねったら)こんなふうに不気味に映るのか、良いじゃん良いじゃん、僕ってば悪くないじゃんと思えたから良かった。楽しいライブだった。ぐっっと解き放つっきゃないなと、良いチューニングができた気がする。全部思い通りだし、全部気のせいとも思う。
来週の土曜日の過ごし方はふた通り、アレならハイタッチもほどほどにいったんイカした散髪をして、アレならいったんしっとり冬を過ごせるような古めのディズニー映画を見ようと思う。