固定ギヤ自転車に乗って

固定ギヤに傾く
 コロナで何もかもが延期や中止になっている今日この頃である。
 本来ならTOKYOオリンピックの余韻に浸っているハズの週末。ちょっと振り返ってみた。

 自転車マニアな私は固定ギヤにも昔から興味があって、岐阜の友達から大昔のシルクの固定ギヤ自転車を分けて貰って乗った事があった。フリーじゃないので足が止められないし、フレームが華奢で、踏み込むとグラついて怖かった思い出しかない。
 それからしばらくしてアメリカからピストブームが来て、また乗ってみようかな位の気持ちだった。今度は、レストアついでにMTBの友人が乗っていた5段変速時代(エンド幅120mmなので、ピストのハブがそのまま使える)のチネリのヴィンテージ・ロードが手元にやって来た。コレなら前後にブレーキも付くので公道でも安心して乗れる。ストリート・ピストのブームが始まっていて、所謂NIKEの「ノーブレーキ、問題無し。」問題(笑)がニュースになった時代だ。連日、関連したサイトにスキッドのやり方やトリックの動画がUPされた。日本の都会で走れば、狭い道路、混雑した歩道、溢れる車では、どれだけ気をつけても危ないに決まっていた。
 その点、私の故郷である三重県の中南部ではそんな気遣いはほぼ要らない。
 混雑を迂回する道があるし、そもそも流行に敏感な人が乗りそうな固定ギヤの必要性は皆無に等しいし、売ってる所も無いって土地柄だ。
 でもコレが楽しかった!昔乗ったシルクとは大違いの剛性感があり、何よりコントローラブルだった。出来るだけブレーキ付いてないように見せたかったので、シクロ用補助レバーならハンドルの形に沿って見えるので、横からは見えない。で、日本の道交法では前後にブレーキが付いてないといけないのだが、ブレーキに頼らないコントロールがカッコいいと思ってたから、粋がってFブレーキだけだ。
 当時、pedal mafiaというグループが全国のfreakからの愛車写真をサイトに掲載してくれていて、私のヴィンテージ・チネリ もそこにある。その中で背景が田んぼの緑なのは珍しい(笑)
 一番覚えたかったスキッドの仕方は、出来立ての頃の名古屋のCircles・田中くんに教えて貰った(笑)固定ギヤの感覚に慣れるために通勤で使っていたからライトが装備されているのが懐かしい。コレはロードフレームだったのでBBが低く、カーブではたまにpedalを地面に擦ったりした。しかし、憧れのスキッドも出来る様になったし、古いフレームではあったがソコはチネリ、乗り心地が極上だった。昔からスポーツ自転車には乗っているので、それが良いかどうかはカラダで解るのだ。
 
 ストリートでも走り方を誰も教えてくれる人が居なかったので、アメリカのメッセンジャーが配信してる動画(信号無視して渋滞の車の間をすり抜けるヒドイの🤣)を見たりして、試行錯誤した。道路状況の判断とシュミレイションを素早くできるようになった。疲れてくると鈍るのは何でも一緒だが(笑)。
スピードの調整とギヤ比の加減は何度も交換して、やってみた。
 しばらくしてもう一台、競輪選手のお古のピストが手に入り、前後ブレーキを付けて、完全な「なんちゃって街道練習用」ができた。パイプはオーソドックスな019で細いが、良い感じのしなりがある。


 最初良く分からなかったのが、ギヤ比の違いで、脚に来るのがバックを踏む時である。
バックを踏むというのは、固定ギヤは前に回したままで止まらないので、速度を落としたくなれば、後ろ向きに力を加えながらpedalを回す事になる。コレはギヤ比が重いと、かなり脚にくるし、中々スピードも落ちにくい。慣れてくると自分の体重や、脚の重みだけをpedalの後ろ向き欠けてやるだけで減速が出来る様になる。こうなるともう楽しくてしょうがない感じになって来る。
 調子に乗って、琵琶湖一周にチームの人達とストリートピストで行ってしまった🤣。
当時は固定ギヤのコグなんて中々売ってなかったので、もらったチェーリングとタキザワの通販でコグを手に入れた。47×17Tの2.76倍でたまたまいいギヤ比で、ロードの友達と一緒に奥琵琶湖の唯一の登りもこなせるギヤ比だった。

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