舞台とマーケティング ①

カスタマーサクセスという言葉について考えてみる。『顧客の成功』ってなんのこっちゃという感じではある。しかも今回は舞台のマーケティング。言わば『観客の成功』である。

俺は適当なマーケティングを考えるので、軽く読んで戯言と捉えていただければ構わない。ただ、舞台公演を打つならお客さんに観てもらいたいので、思考をここに記してみる。

今は宣伝を打てばモノが売れる時代ではなく、周りでモノを使っている人を見て、自分も買おうかしらなんて考えるようになっている。誰かが誰かのインフルエンサーである。この場合、顧客が見るのはモノではなく、体験である。そのモノを顧客Aが使うことでどのような体験ができるのかを考えた顧客Bがそのモノを買うのである。

良いモノが顧客の人生に貢献し、それがまたモノを顧客に選んでもらえるようになる。企業は自発的にカスタマーサクセスに取り組み、自社プロダクトの『疎遠さ』を取り除き、プロダクトを選んでよかった・もっと使いたいを増やすアクションを取る。これがざっくりしたカスタマーサクセスの考え方である。

で、これを舞台公演に置いてみる。「観客にどのような体験をしてもらえるか」そして「一度それに関連する公演を観たお客様に、次回以降も継続して観てもらう」というリピーターを作っていく話になる。

このリピーターは結局はファンである。しかしカスタマーサクセスは顧客のニーズをすべて満たそうとするイエスマンではない。ファンに応えるなということではなく、ファンに与えられる存在であれという話である。「私という存在は、あなたの何々と言う欲求を解消できる」そういうプレゼンができる存在であるべきなのだ。

この『ファンを大事にしていく』というより『ファンにギブする』姿勢を持てば、ファンは新しい顧客を生み出してくれる。ファンは体験を約束されたモノを観ており、それ故他の、未来の顧客にも勧めやすい。

舞台公演には様々な役者やその他大勢が参加している。1人のプレイヤーだけで考えるのではなく、その公演自体が観客のどのような欲求を、どのような問題を解消するのかを考える。そしてその公演は常に顧客へ体験を与える。どんな体験? それを押し出していくべきだ。

そう考えるとVote Showは、毎公演正体隠匿疑心暗鬼脱出ゲームを提供しながら、出演者やルールを変えることで毎回違った体験ができる素晴らしいフォーマットの舞台公演である。観客は一定のカスタマーサクセスを得られながら、常時魅了されていく。Vote Showは公演のファンを作りやすいはずであり、そうあるべきである。

舞台は観てもらった後が勝負である。一期一会の舞台の後に、自分は何を観客に届けられるのだろうか。

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