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漫画の話『根こそぎフランケン』~勝つ事が絶対か?~

さて、漫画の話をしましょう。保険の話なんてつまんないしね。

今日紹介する漫画は、押川雲太朗(おしかわ・うんたろう)の『根こそぎフランケン』です!これは最高の麻雀漫画であると共に、最高のギャンブル漫画でもあると思ってるんですが、例によってあまり評判は聞きません。読みました!って人と会ったこと無いです。まあともかく!紹介していきましょう!

8巻表紙(デカイ顔がフランケン、タバコを咥えてるのが竹井)

あらすじ

かつて天才ギャンブラーとして名をはせていた竹井(たけい)は、部下に裏切られ、今では地方で素人相手に日銭を稼ぐほど落ちぶれていた。そんな時、竹井は偶然「麻雀のプロになりたい」という謎の大男と出会う。圧倒的な力で勝ちまくるその男を、竹井は外見がフランケンシュタインの怪物に似てるという事からフランケンと呼ぶ。フランケンを邪魔者として排除しようとする竹井に対して、フランケンは何故か竹井を「麻雀の先生」「師匠」と呼んで懐いてくる。何もかも違う竹井とフランケンの凸凹コンビの珍道中が始まる。

フランケンの暴走に振り回される竹井

運がいいって最強だよね

麻雀漫画は多くの場合ある種の超能力が出ます。まあ、単に運任せや技術だと話として作りにくいからでしょうね。例えば小林立『咲-Saki-』は完全に麻雀漫画というより超能力バトル漫画ですし、星野泰視『哲也-雀聖と呼ばれた男』の現実的ではないイカサマもある種の超能力と言えるでしょう。

それらに対して、この漫画で最強のフランケンが持つ能力は「運がいい」これだけ!そしてその最強のフランケンをどうやって倒すのか?という点がこの漫画の骨子になっています。この運がいいだけっていう設定は非常に上手く使われており、どちらかといえば運より技術で戦う竹井と好対照になり話を盛り上げます。まあ、フランケンが強すぎるせいで、最終的には主人公ではなく竹井が倒すべきラスボスになってしまいますが…。

竹井とフランケン最後の戦い
(やっぱライバル対決は燃える)

勝つことは正しいか?

この漫画は全編を通して、「勝つことが正しいのか?」というテーマが語られます。竹井は勝ち過ぎる事は危険であるとして、わざと負けることもあるスタイルです。それに対して、フランケンは「わざと負けると麻雀の神様に怒られる」と言ってひたすら勝ち続けます。この全体のバランスをとるべきなのか、最強ならそれでいいのかという対立が素晴らしい。燃える!

後半のフランケン
(強さゆえの悲しみもちゃんと描写されるのがいい)

特に竹井がフランケンに影響され、破滅を掛けたギャンブルに踏み込んでしまったり、逆にフランケンに「強さや勝つことに意味がない場合もある」と諭したりするシーンは、もう本当…最高だな!ただちょっと竹井をカッコよく描きすぎて、途中から明らかに本来の主人公であるフランケンを食っちゃってますが…まあカッコイイからいいか!

後半の竹井
(前半のくたびれた感じが嘘みたいにカッコイイ)

まとめ

麻雀漫画好きにはもちろん、ギャンブル漫画好きには最高の漫画です!ちなみにこの作者、他にも麻雀漫画の傑作をいくつも描いています(個人的なオススメは『リスキーエッジ』)。ただ、雑誌の連載等にはあまり恵まれず、今ではKindleの個人出版で漫画を描いてたりします。プロ漫画家でKindleの個人出版してる人って意外に少ないんで、そういう意味でも注目の作家です!『根こそぎフランケン』もKindleで出てるのですぐ読めます!マンガ大好きでKindle Unlimitedに入ってる方(私とか)なら無料なので、今すぐ読みましょう!!

本日の漫画紹介でした!



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