仁淀人物百貨
「県外出たがやけど、やっぱり地元がよかったっていう」:生姜を育てて3年目、壬生農園で働く川上さん ft.壬生さん
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「県外出たがやけど、やっぱり地元がよかったっていう」:生姜を育てて3年目、壬生農園で働く川上さん ft.壬生さん

仁淀人物百貨
高知県に流れる清流、仁淀川。透明度が高く、その神秘的な青色は「仁淀ブルー」と名付けられている。そんな仁淀川が流れる「仁淀ブルー流域」(伊野町・日高村・土佐市 ・佐川町・越智町・仁淀川町)の様々な「人」にスポットライトを当ててその人生を紐解きながら、その人が生産している/関わっている「物」への想いを明らかにする「仁淀人物百貨」シリーズ。

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今回は、高知県日高村の山奥で生姜を育てる「壬生農園」で働く川上さん。
突然のインタビューにも関わらず快く引き受けてくれた。時折こちらへ質問を返しつつ、自分の今の思いを語ってくれた。

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ー壬生農園で働くまでの経緯を教えてください

元々日高村出身で、中学2年生の時に親が佐川町(※日高村の隣)に家建てたんで引っ越して、それからずっと佐川の方に。で、去年かな・・・日高村に戻って来たのは。中2だから14歳なんで・・20年弱ぶりに日高村に戻ってきて。

ー壬生農園の前は別のお仕事を?

こっち戻る前は松山で就職して、んで辞めて戻ってから色んな仕事を。壬生農園には2年前に入って、今年3年目なんで。入ったのをキッカケに日高村に戻って来たって感じかな。

県外出たがやけど、やっぱり地元がよかったっていう。高知市に戻って来た時は紙会社に勤めた。その後、先輩に引き抜かれて仕事を手伝いよったがやけど、それが県外ばっかでね。会社は高知にあるんすけど、仕事は県外やったり出張あったりとかで。家族もおったしそれが申し訳なくて。で、そのタイミングで(壬生農園)社長の壬生君から「うちに来ん?」って声が掛かって。それやったら、行ってみようかぁ〜って。壬生君とは保育園からの付き合いで幼馴染みかな。年も一個違いで、親同士も仲ええんで。

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やっぱ地元は住み心地がいいね。松山も松山で良かったけど、都会は自分には息苦しいというか。元々は大花(※日高村の山奥)出身で、山で育ったようなもんで、都会は合わんかったかなぁと(笑)やっぱ、自分の子供も自分が育った環境で育ってくれたらえいかなぁと。自然豊かなのがええなぁって。それこそ、川が近いし。自分が小学校時代は、先生から「川で泳げ〜」って感じで身をもって自然の怖さ・川の怖さを教えてもらったんで。都会やと中々学ぶ機会もないなぁと。

ー仕事はどうですか?

農家は初めてで分からんことだらけ(笑)ただ、今は時間がのんびりというか、元々、建設現場等で働きよったんで。人に気遣って、時間に追われてて。でも、今は人にあまり気を遣わんなったかな。やから、精神的にものんびりできて働きやすくなった。

全部大変っちゃ大変やけど、夏場は暑さがキツイね。もろに直射日光浴びるから痛くて。あと、収穫時期は鍬で掘るのが大変やね。結構な力仕事で。それと、天気かな。雨やと、消毒できんくて虫に葉っぱ食われたりとか。もろに影響を受けるのでそれも大変ですね。

けど、育てた生姜が沢山実ってると“やって良かったな”って。年によって全然違うし正解は無いんで、“来年はこうしよう!”とか、常に勉強というか試行錯誤しながらやるのも大変やけど楽しいですね。

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ー日高村のどんな所が好きですか?

改めて聞かれると出てこない(笑)どこと言うより、住み慣れた場所なんでね。夏やな〜暑いけどどうする?川に泳ぎいくか!が普通なんでね。ちょっと走れば川がある、川が近いのは日高村の良さかなぁ。それが当たり前になってる。
就職で松山行って思ったんは、好きなんは自然より友達ですね。松山でもできたんすけど、やっぱ気兼ねなく話せるのは地元の友達ですねぇ。休みや土日になると地元に戻ってきて、また松山に戻っての生活だったんで。県外に出た友達も居ましたけど、一番仲のいい友達はやっぱり地元(市内含め)にいますね。

一人暮らしに憧れはあったすけど、実家だと洗濯等楽だし自由に遊びに行けるのがよかったんで、絶対する!とは思わんかったですね。それに、免許とって車でいろんな所出かけれる・出かけたい年頃だから、実家の方でよかったですね。

【ここで壬生農園社長の壬生さん合流】

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ー川上さんとは幼馴染と聞きました。

壬生:幼馴染みたいなもんすね。川上くんが自分の1個上の先輩やけんど親父さん同士も仲良くって、鮎釣り一緒行ったり。保育園から高校まで一緒やったね。社会人なっても遊んだりしよったき、県外行っても離れちゅうって感じはなかったね。中学時代も、先輩後輩やけどそんなキッチリとした線引きはなかったね。みんなで遊び行くで〜!みたいな感じで。

ー日高村のここ不便だなぁとかありますか?

川上:不便というか、住み慣れてる。昔から変わらんかなぁ。
壬生:戻ってきた時に、“お菓子食いてぇ。でもコンビニ遠いし・・”ってのはあったけど、慣れたら昔から変わらんしなぁって。近くにあったら、すっと買いに行くけんど、無いぶん財布持つ機会が減って無駄遣いが減ったかな。
川上:通勤途中にあったら何か買うけど、あっても自販機でコーヒーくらいやき(笑)

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壬生:コンビニが無いから無駄遣いが減ったけど、その分スーパーに行った時に爆買いしてるわ。滅多に行かんき、あれもこれもって買って市内にいた時より食費はあがったがやないろうか。まぁ、移動手段さえあれば不便はないかな。人間関係も、地元に帰ったって言っても別に昔から知っちゅう人ばっかりやし、気遣うこともあんまないかな。トモヤ君(川上さん)も、地元の人々を知っちゅうし、知られちゅうき溶け込むのは早かったがやないろうか。溶け込むって言葉すら無いかもしれん。
川上:そうねぇー。まぁ、本村に来て集落の人や、昔小学生の頃に大人やった人達とお酒飲むのは新鮮やったね。

ー能津(※日高村の山奥地域)の魅力ってなんですか?

壬生:そうねぇ、空気が綺麗。都会やと外に干し取ったら排気ガスで黒くなるけどこっちやったら虫が付くくらいとか(笑)
川上:虫が付くのは微妙やろ(笑)後はー、静か!
壬生:他には、基本的に子供を伸び伸び育てられる。田舎だけあって、学校と保護者の距離感が近いかもしれん。マンモス校やと誰かに任せることあるろうけど、能津は全員が保護者会に参加やき。みんな学校の事情、保護者の事情を知っちゅうき、小まめに対応してくれる。能津小ならではかな?やけど助かってる。


川上:魅力ねぇ〜、難しい
壬生:後は、人との距離感が近くなりやすいとか。何かに携わると人との繋がりができやすいかなぁと。

ー能津が将来こうなったらいいなぁとかありますか?

川上:僕からしたら、人が増えてくれたらええかなぁ。移住者がおってくれたら一番ええかなと。若い世代が来てくれたら、学校も盛り上がるろうし、そしたら地域も盛り上がるろうし。
壬生:僕はインフラですね。道。道が整備されんと人も来んがやないやろか。長畑までは整備されとるけど、それ以降は人が住みたいとはなかなか思わんのやないやろか。町から通勤させるとかってなるとちょっと心配なるかな。


川上:移住者はどっちがいいとかないですけどね(県外の人でも、地元の人でも)来てくれたらやっぱ嬉しいし、人の繋がりも増えるし。

壬生:そうやねぇ。夢団地にも移住者増えたし。ただ、基本ベース、地元の人がUターンして戻ってくる環境が整ってないかな。今の生活に比べて、小さい時に実家住みにくかったなぁって思いがあるき、余計に帰ってこれんかなぁと。でも、実家はちょっと・・けど、実家近くに住みたいけど土地が無いし建てるところも無いし。日高村が、「帰ってくる場所」を作っちゃらんといけんかなぁと。帰って来たい人もおるろうし。やっぱ地元の人が1番喜ぶし。


その間に県外からの移住者が来たら溶け込みやすいかな。県外の人が移住しても地元に溶け込み難いのはあるしね。子供が居たら馴染みやすいけど、単身だと地元民と接する機会があまり無いぶん、ちょっと難しいかな。どこか日高村内に場所を作るにしても、例えばやけどここに住むなら消防団に入ってね、みたいな条件や、Uターンを迎えつつ間に県外移住者を挟むとかしたら、もっと地域に馴染みやすいかな。

先を見据えた行動をしていかんと、子供が成長して家出たら自分たちもどこか引っ越そうか〜ってなりやすい。やき、後継が戻ってきやすい場所「実家になるような村づくり」が必要やと思う。

ー今後こうなりたいとかありますか?

川上:うーん、無いかな(笑)会社は大きくなってもらえればと。僕自身は・・・なんやろねぇ?宿題としていいですかね?笑
壬生:トモヤ君には、おいおい管理職になってもらえたらなって。会社は大きくしたいなとは思ってて、ただ拠点がこっちで不便なところもあるんで、国道沿いに2拠点目を将来的に構えれたらいいなぁと。
+αとしては他の方の生姜を購入して商売するってのをワンステップ上には考えてるかな。ただ、基本ベースの「自分の所で作って出荷する」スタンスは崩さないんで。基盤が崩れたら上も崩れるんで、自分も畑作業から生涯離れるつもりはないですね。
親父には追々引退してもらって、新しい人を迎えて会社のことをどんどん知ってもらい、3人4脚みたいな感じで仕事をやっていければ。親父には引退してもらってもサポートをしてもらいたいし。

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ー後日談ー

改めて考えてみて、今後日高村がこうなったらいいとか自分自身がこうなりたいとかありましたか?

川上:ちょっと考えたんすけど、あんまり思いつかんかったっすねぇ。ただ、自分が任されちゅう仕事を一つ一つ丁寧にこなしていきたいなと。与えられた仕事・・役割っていうんすかね。目の前のことをちゃんとこなして、それが会社の為になればええなぁと。うん、まぁこんな感じっすわ(笑)


インタビュアー:小田啓太郎(日高村/日高村地域おこし協力隊)
福岡出身。日高村で地域おこし協力隊として活動。

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感想:人は人が好きなんだなと、「好きなんは自然より友達」の一言がそれを表してる気がした。地域の特徴は、自然や食は勿論だがその背景にいる「人の魅力」が一番だと思った。
先輩後輩と言いつつ、互いに冗談を言い合え仕事ではちゃんと向き合える関係性は凄いなと。やはり、幼馴染で互いのことを信頼しているからなのかも。
生姜の栽培は、夏は暑く冬は寒く大変な仕事だけども、それ以上にやり甲斐を見つけ仕事を楽しんでいるようにも感じた。

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