暑い
わたしは関西在住なのだけれど、今年の夏はとにかく恐ろしく暑い。日差しが強すぎて、日傘なしには長時間外を歩くのは厳しい。
昔、夏の沖縄で、長時間原付で移動したことがあって、なんの対策もとらなかったことで肌が露出していた部分がひどい日焼けになって、皮膚科にいったら2度のやけどだといわれた。あのときの日差しの中の沖縄はなにもかもが白くみえたけれども、今日の昼飯どきの大阪もまたあの時のようにぼんやりと白かった。これが人間に見える紫外線のありようなのだろうか。
子どもの頃、南国に生まれたらバナナもパインも生えてくるから働かなくても生きていけるんではないか、などど適当なことを考えていたのだけども、いざ40度くらいの気温になって、みるもの全てが白く色抜けするような日差しのなかにいると、単純に生命の危機というか、これではもたないという感じと、とにかく無理をしてはいけないという判断が先に立つようになる。子どもだったわたしはせいぜい、自分の生きている環境の中の夏に、頭の中で数値上プラスした暑いイメージを持っていただけにすぎなくて、実際の人間の肉体はある程度以上の温度なりを超えると、ちょっとのことで限界を迎えるという、動物としての限界について何も知らなかったのだ。18度が19度になることと、37度が38度になることは、数値の上では1の変化でも、人間にとっては同じ感覚の1ではない。しかもメラニンの量やらなんやらで耐えられる日差しも変わってくる。
で、話は変わるが、大西洋の海流が止まるやら何やらというはなしをなにかで見た。早ければ2030年代には影響が出るだかどうだか、そうなるとその10年後には北極海の氷がイギリスの南岸までくるとか。確かに、あそこら辺がえらい北なのにそこそこ温暖なのはメキシコ湾流が云々、というのを昔、地理の時間に学んだから、理屈はわかる。海流が止まるやらというのは、正直どれくらい現実的なことなのかはわからない。そういう説もある、くらいで済んでくれればとはおもう。しかし、また別のところでは、北極やら南極の氷が溶けて云々というはなしも聞いた気がする。待ってくれ、冷える範囲は増えるんじゃなかったっけ。でも氷溶けるのか。すごい寒いところは減って、そこそこ寒いところは拡がる、でいいのだろうか。でも日本はめっちゃ暑くなってる。構図全体が変わってきたのかもしれない。
これから先、短期的には日本の夏が涼しくなることはなさそうだ。なんていうか、人間がどうこうできるレベルを超えて、気候のセッティング自体が動いていて、どうやらこの島国は亜熱帯なのかなんなのかわからないけれども、今までとは違うゾーンの中に入るのかもしれない。正直、この暑さで昔のような生活リズムで押し切るのは難しいんだろうなあとおもう。この島々のひと達が、今まで朝から晩まで働けたり、勉強したり、運動できたりしたことの全てが、この島の自然環境が生んだ程度感覚のなかで成立していたのだ。しかし、このままでは、少なくとも一年の4分の1くらいは麻痺するというか、それを強行しようとすると、エアコンフル稼働の高消費システムにますます依存するしかなくなるのだが、それを支えるだけのパワーがこの島々にあるのだろうか。
近代が可能にした都市や住環境のありかたの、その先みたいなことはどのくらい試行錯誤されているんだろうか。例えば、東南アジアの近代化と都市緑化とかはどうなのだろうか。これから先、不可能になっていくことと、可能なことを、うまくミックスした都市計画みたいなはなしこそ、それこそ万博のような場でみせたり、なんなら特区でも作ってやればいいんじゃないか。あ、それが愛・地球博だったのか。うーん。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?