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【唇が寂しくなったら歌え】3/29日記。
このnoteを読んだ感想です。
BGMにどうぞ。
「唇が寂しくなったら歌え」
大学の、男子寮に住んでた先輩が、壁に貼り紙していた言葉。
何を想像するだろう。ダイエット?失恋?そのどちらでもなく先輩は禁煙中だった。歌って、冷蔵庫をあけて、もやしを一本ポリポリ食べた。「安いからね笑。栄養もあるし」
この言葉は食欲にも性欲にも効く気がする。僕はなぜ歌うのか。寂しいからだ。
「体重計に乗るように」
なんの雑念もなく、ただの日常動作として、衝動のままに、歌えたらいいなと思った。
カラオケなど「誰か聴いてる人がいる」と、僕はそれを意識してしまう。そんなときは上手に歌えてないと思う。河原でスマホの録画ボタンを押した瞬間にも、それは生まれる。
俺の50kgを切るこの体重をくらえ、という雑念が生まれる。日常動作でなくなる。そうすると針は、いつもより余計に振れる。
録画もせず、河原に誰もいなくて「誰も聴いてない」という安心感があるときが一番気持ちよく歌えるし、たぶん上手に歌えてると思う。あるいは自閉してるとき。鬱のとき。
「誰かに聴いてほしい」気持ちがゼロではないが、そもそも録画を始めたのは自分で聴き返して反省するため。それを投稿するのは修行のつもりでと言い訳してみたりもするが、やっぱり「誰かに聴いてほしい」んだろう。
「わかるよ」って言って欲しいんだろう。玉置浩二だってきっとそう。みんな、寂しいから歌う。
録画をみて最近反省したのは、笑って歌おうと思った。どんな哀しい歌でも、寂しい歌でも。笑顔なら「誰か」を意識したときも、わりと上手に歌える気がする。
なぜ「上手に」歌いたいのか。
それもやっぱり「誰かに聴いてほしい」からなんだろうけども。
「上手に」っていうのは、音程やリズムや音色のことではなくて、「歌うこと」を上手にやりたい。体重計に乗るように。
「誰も聴いてない」ときが一番気持ち良く歌えるのに「誰かに聴いてほしい」という矛盾も気持ちいい。
誰もいない星で、1000年生きる生き物だったら?
それでも音楽は生まれるか?
1000年、歌い続けるか?
たぶん「誰か」がいないと音楽は生まれない。「それ」は人間じゃなくてもいいだろうけど。
1000年無人の星で歌ったならば、それは体重計に乗るよりずっと自然な動作であろう。
1000年ずっと無かったレスポンスが、1000年後に現れたらどんなに感動するだろう。
そんな妄想をたまにする。
唇が寂しくなったら、笑って歌おう。
暗い部屋で一人で体重計に乗るように。
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