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R-1グランプリ2021 所感

こんにちは。にわか雨です。

3月7日に放送されたR-1グランプリ、皆様はご覧になられたでしょうか?今年から名前や芸歴10年以下の芸人しか出場できなくなり、ブロック方式から総当たり勝ち上がりや審査員および審査方法が変更されましたね。

最初、「芸歴制限付けるならせめて来年からにしろよ」とか「芸人への愛がなさすぎるだろ」とか思っていました。まぁ結論から言えば、後者は本編を見て確信することになるんですが…

とりあえず最初はネタの感想を書いていきたいと思います。

ファーストステージ

マツモトクラブ(敗者復活枠)「幼馴染」

いつもの音声を使ったドラマチックなコント。中盤からブーストがかかりまくるネタ。前半フリ長いけど大丈夫かって不安に思わせておいて笑わせるのはお見事。多分10分ぐらいある秀逸なネタを3分にまとめた集大成なんやろな。何気にラストイヤーなのが悲しいなぁ。R-1ぐらんぷりのネタの質を底上げしていた方だっただけにストレートで上がって欲しかったし、上がっていてもおかしくないクオリティでした。

ZAZY 「春夏秋冬」

毎度お馴染みのシュールリズムネタを4面構成にすることでパワーアップしていた。初めて見たのが「絹枝おばあちゃん」のネタで衝撃やったのに、さらに進化するのはすごい。また、オリジナルの言葉やツッコミがスッと入ってきて笑えちゃうのは天才にしかできない技やと思う。最後の展開も好きで面白かったなぁ。ただ、古坂大魔王の採点で冷めたなぁ。いきなり99点はバランス崩れるって。

土屋「競技自転車部」

くだらね~~~~~!!!!!でもこの一点突破型のネタってハマるとバカ強いのよね。最初の方で違和感持たせて、そこからの展開に広がりがあった。最後どう落とすのかと考えてたけど、めっちゃ雑で笑った。ネタパレ出たときのランジャタイかよ。

森本サイダー「ラブジェネレーション」

最初は普通に出会い系サイトの待ち合わせ場所にきた変な人のコントかと思いきや…そこからの展開は数年前の真空ジェシカを彷彿とさせるようなネタであった。この感じのネタって審査員の評価が低くなりがちなんやけど、見た目のキャラクターに乗っかったことをやることで評価されていたのかなと思った。最初の笑いの着眼点もかなり面白くて良かった。

吉住「化け物」

流石THE Wを制しただけのある実力派。演技のうまさだけで化け物と会話する情景が見えたし、ボケの少なさもカバーしていた。こちらも中盤からブーストがかかりまくるコント。ただ、中盤の大きな笑いどころがあまりハマらなかった印象。「女審判」のネタを知っている私からするとボケが本当に少なすぎたのが惜しいなぁと。

寺田寛明「日本語訳」

ヒューマン中村の後継者と言える存在でしょう。正統派フリップ芸人。ネタも夏目漱石の「I love you」の日本語訳をテーマに展開させていた。あるあるの質は高いんやけど、「もっともっとイケる…」って思ってしまったかも。めっちゃ短い英語の文章から長い日本語の文章にするのも面白いんやけど、読めたかなぁと。あと順位発表されてからの発言と野田クリスタルのフォロー素敵やった。

かが屋 賀屋「駆け込み乗車」

一人バージョンのかが屋って感じで、日常のありそうな光景を切り取って高い演技力で表現できるという強さよ。途中、悲鳴上がったときに「客…」って思ったけど演技力高いが故なんでしょうな。静かなオチも「ふふっ」て笑えるようになっていて良かった。

kento fukaya「triple flip story」

3つのフリップを使って舞台を広く使ったネタ。数珠つなぎでネタを展開させてスピード感と立体感のあるネタになっていた。このシステムを作ったのは、発明だとは思うけどもっとネタの内容に一貫性というかストーリー性を持たせた方がいいかと思った。最後らへんのフリップの使い方は上手いと思った。

高田ぽる子「おじいちゃん」

一番最初にネタ見たときは「なにこれ!?」って思ったけど、わかってても「なにこれ!?」って思った。インパクトのある掴みから昔話のようなほのぼのとした平和なリズムで繰り広げられるシュールコント。そして、ワンパターンになりそうな寸前で意表をついた展開もかなり良かった。これで芸歴2年目で、あと8年も出場できるの強すぎる。あと、構成が素晴らしい。

ゆりやんレトリィバァ「オフィス」

この前のTHE Wで会場を荒らしまくるようなネタを披露したゆりやん。それぐらいキテレツな芸人だが、今回はフレーズのチョイスやボケ数の多さから勝ちに来ていることがわかった。途中の被せまくるところ面白かったし、オチも雑で笑ったなぁ。一言ネタは卒業して、進化しているところを見せつけられた気がする。

ファイナルステージ

かが屋 賀屋「おなら」

これも一人バージョンのかが屋みたいな感じやけど、ファーストステージとは真逆で、バカバカしい展開の中にもリアルさがあって引き込まれる。途中の展開からは、継続して笑えた。最後らへんのシーンはドラマチックに思えてしまった。

ゆりやんレトリィバァ「インタビュー」

ゆりやん本人役としてコントに登場し、自虐ネタの連発かと思いきや、狂気性のある展開に。緊張と緩和を上手いことこのネタに落としてくるのはすごい。そこから天竺鼠の「交通事故」を彷彿とさせるような展開と最後の意味不明なシーンで優勝するかもって思ってしまった。本当に3分なのかと思ったぐらいの濃いネタであった。あと関係ないけど、「寿司」と「交通事故」キングオブコントでやったときの天竺鼠なんで優勝できへんだんやろな…

ZAZY「二人の出会い」

ファーストステージとほぼ同じ構成のネタ。しかも衣装チェンジ。途中、ミスみたいなのがあってもったいないと思ったけど、ほぼ審査には関係ないかなという印象。1本目の最後の展開を2本目に温存しておけば結果は変わっていたかもしれない。

ネタの感想は以上ですが、別で本大会の良かった点と直してほしい点について書こうと思います。

【良かった点】

・Creepy Nutsのテーマソング
いつもCGがダサいことでお馴染みのR-1ぐらんぷり。今回は、Creepy Nutsの「バレる!」をテーマソングに起用することで、いつものクソダサバラエティー番組感を払拭することができていましたね。M-1のパクリじゃねぇかという意見もあると思いますが、個人的には良いところはマネできたらすれば良いのではないかと思いました。

・敗者復活が実質トップバッターに
今までは敗者復活が各ブロックの最後にネタ披露していたが、今回は決勝進出を決めた9名が1~10番までで好きな順番を決められるようになった。ルールにはないが、不利なトップバッターが最後まで残るのは明白。実質、敗者復活枠がトップバッターでネタを披露することになる。旧M-1のときから私は一度負けているんだから何かしらのビハインドが必要であると常々思っていた。M-1の笑神籤のように緊張感とワクワクを持たせるために良い発明だと思ったが、こちらの方が素晴らしいアイデアだと思った。

・審査員の若返り
これは、前回までが桂文枝師匠や関根勤などいわゆる大御所・ベテランが名を連ねていたが、今回は陣内智則や友近、何と歴代王者のハリウッドザコシショウや野田クリスタルなどの芸人を審査員に採用した。個人的には、ムードも良くなりそうだし、バランスも良いから全然ありで審査員としての経験値をトップランナーに積ませて置くのも素晴らしいシステムだと思う。ザコシショウの正装がめちゃくちゃ違和感あって面白かったし。

【直してほしい点】

・時間短すぎ、余裕なさすぎ
全体的にバタバタしすぎていた印象。最初は、審査員の点数を一人ずつ発表していたのに途中から一気に発表からの審査員コメント一人だけ数秒与えて次へという風な進行。いや、ものまね紅白歌合戦か!ネタ番組ちゃうんやて!人生かかってるんやて!賞レースとして誠に遺憾でした。もっと緊張感のある演出をしないと、Creepy Nutsをテーマソングにした意味ないし、威厳も保たれないと思うのよ。

・視聴者投票の是非
これいる?何でそんなに視聴者の声に固執するの?生放送で時間なくなる理由これじゃないの?しかも、最大5点やし。Twitterで集計する時間があるなら、審査員のコメントや敗退コメントに時間を費やしてほしい。

・最後のカメラワーク
せっかくゆりやんが泣いているふり(今回は本当に泣いていたが)からの顔芸を遠くからのカメラから撮ってしまうというね… あと、優勝者に副賞渡すところらへんで最後ぶつ切りに。放送していたところでは、優勝者の1本目のネタを再度流す演出をしていたらしい… そんなよくわからん演出いらんねん!時間余っていたなら審査員か優勝者のコメント拾ってよ。あと、おいでやす小田のことを蔑ろにしすぎやって!中継先で全然喋れてなかったし!その辺も込みで直すべき。

まぁ新しくなって1回目の大会ですし、生放送ですし、さらにはコロナ渦で非常に大変だったと思います。これからのR-1グランプリに期待したいところです。

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