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火口(ほくち)(抒情詩)


火口(ほくち)1
火口(ほくち)2

恰も詩句でなくとも
まったく透明でなくとも
万人に愚かと読まれようとも

今の言葉を超えるものを
求めている
破壊され
再生する
その始まりの
弱々とした双葉のように

誰のものでもない
己だけの微かな火口は
未だ炎と燃え上がらない
けれど

不格好でもいい
芯へ残る
重いテーマを
ひたすらに
伝えるために

いつか
人智を遥かに超えるI/Oへ
最上位のレイヤーの
その向こうへ
我らが素材であったままの
あの光の国へ
郷愁と報告を込めて

大いなる言葉を
祈りとして
翻訳する
例えそれが
人の世に
認められなくとも

探し求めている
真なる一つへ
連なる言葉を
きっと
人はそのためにも
また
生まれているはずであるから