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鬼滅の刃最終巻が100倍面白くなる「裏メッセージ」

こんばんは、新田です。

12月4日に、鬼滅の刃「最終巻」が発売されるということで、
最終巻を読む前に、鬼滅の刃をさらに面白く読めるための
「この世界の秘密」について、お伝えしたいなと思います。
(僕が勝手に考えてることなので、
作者のワニ先生がこう考えて作ってるのかは知りません!)


というわけで、今日は、
「鬼滅の刃」に出てくるラスボス"鬼舞辻無惨"の秘密、
そして、この作品に隠されたメッセージを
紐解いていきます。


よく、鬼滅の刃がヒットした理由として、
「コロナ」
と関連付けられて解説されることがあります。

僕も以前、ブログにて、

「鬼滅の刃は、"鬼ウィルス"の物語」

という解説をしたことがありました。


つまり、鬼のボスである鬼舞辻無惨の血によって
人間が"鬼ウィルス"に感染していく・・・という理屈です。


確かに、これも1つの見方ではあると思うのですが、
でも最近、「実は違うんじゃないか??」と思うようになりました。

なぜなら、この物語においては、
バイオハザードの世界みたいに、
鬼に噛まれても、鬼になるわけではないからです。

そうではなく、
あくまで鬼のボスである鬼舞辻無惨の血が混ざらないと
鬼にならないのです。

つまり、

「鬼ウィルス」

だと、辻褄が合わないんですね。


鬼滅の刃は、思ったより「感染爆発」してないのです。

1匹の鬼が、沢山の人間を食うだけで、
鬼自体は、バイオハザードの世界みたいに、
どんどん増殖していくわけではないのです。


では、鬼ウィルスではないとしたら、
鬼舞辻無惨の力の秘密は、
一体何なのでしょう??

それを、まずは考察していきます。


そもそも、「鬼滅の刃」という物語において、
鬼舞辻無惨はなぜ誕生したのか?

最初にそこから見ていきましょう。


彼は、平安時代、普通の男性でした。

しかし、「20歳までに死ぬ」と宣告され、
善良な医者の治療を受けていましたが、
一向に良くならないことに腹を立てて、
無惨はその医者を殺してしまいます。


けれど、殺害した後に、
その医者の投与していた薬が、
実は効果があったことに気づくのです。

無惨は、病気を克服し、復活するのですが、
その代わり、人間の血肉を欲するようになり、
さらに、無惨の血が体に入った人間もまた、
鬼になってしまうようになったのです。


さて、ここで、鬼が強くなる条件ですが、

1.人間の血肉を沢山食べること(鮮度が高いほど良い)

2.鬼舞辻無惨の血を沢山もらうこと

この2つが漫画では挙げられています。


なぜ、これによって、鬼は強くなるのでしょう・・・?

そこに何かヒントがあるような気がするな、と思ったわけです。


そして、ついに分かったのです。

平安時代に、鬼舞辻無惨に投与された「薬」とは、
一体何だったのか・・・?


その医者が作ろうとしていた「薬」は、

「人間の細胞を壊す病原菌やウィルスを、
人間の細胞と結合させ、細胞を強化させる薬」

だったのではないか、と考えています。


多くの「薬」は、
ウィルスを死滅させようとします。

つまり、それらを「敵」と見なすんですね。

でも、その医者が作ろうとしていたのは、
ウィルスを「敵」と考えるのではなく、
いかに仲良くなるか?を考えた薬だったのです。


もし、それが完成したら、
あらゆる病気を克服できる「万能薬」が
完成していた可能性があったのです。

だけど、研究半ばで、その名もなき医者は、
鬼舞辻無惨によって殺されたしまいました。


じゃあ、その不完全な薬によって、
何が起こったのか??


ウィルスに身体が壊されることなく、
むしろ身体に適合させることで、
肉体を強化することに成功しました。

結果、あらゆる病気を克服することができたのです。

そして、ウィルスというのは、
ものすごいスピードで分裂を繰り返しながら、
増殖していくことができます。


だから、そのウィルスが細胞と合体し、
ウィルスの性質を獲得することによって
人間の細胞が、とてつもないスピードで分裂することが
可能となったのです。

なので、ダメージを受けても、
一瞬で回復してしまうのです。


ただし、その代わり、1つ問題があります。

人間の細胞が分裂できる回数には限度があります。

いくらウィルスと結合し、新たな性質を獲得したからと言って、
無限に分裂ができるわけではありません。

そのため、鬼は、
生きた人間の血肉を欲するようになったのです。

また、ウィルスの

「他の生命体を侵食してでも、自分たちが生き残ろうとする」

という性質が、そのまま細胞に取り込まれるため、
他人を侵略してでも自分たちの生存を優先するように、
性格まで変わってしまうのです。


その結果、他人の血肉を自分の身体に取り込むようになり、
その血肉が新たにウィルスと合体し、
どんどん細胞分裂を繰り返していくことができるため、
「寿命」を長くすることができる、というわけです。


そして、鬼舞辻無惨の血を注入された人間もまた、
鬼になって、人を食らうようになってしまうのですが、
そうなる理由は、無惨の血に含まれる薬の成分によって、
体内のウィルスや菌と細胞が結合し、
細胞分裂のスピードが一気に加速してしまい、
本能的に人間の血肉を欲するようになってしまうからです。


さて、では次に、強い鬼になるための、
2つ目の条件を見ていきましょう。

この物語では、強い鬼になるための条件として、

2.鬼舞辻無惨の血を沢山もらうこと

というのもあります。


なぜ、そうなるのか?というと、
無惨の血をより多くもらうほど、

「より毒性の強いウィルス(病原菌)」

と結合して、より強化された細胞を手に入れることができるからです。


つまり、強い鬼(上弦の鬼)は、

「強力なウィルスと同化することができた鬼」

ということになります。


実際、上弦の鬼って、いずれも、

「何かの病気が発症した人」

を象徴したような見た目です。


本来、敵キャラって、もっとカッコ良い、
オシャレな見た目にする筈なのに、
この物語に出てくる強い鬼は、皆、

痣が出来ていたり、
皮膚がただれていたり、
顔が変形していたり・・・

というキャラが多いです。


これは、もともと、死に至る病を持っていた人間が、
鬼舞辻無惨の血に含まれる「ウィルスと細胞を結合させる薬」を投与されることで、
ウィルスが味方となり、それが強力なパワーとなったからです。


鬼の中でも、最強の鬼とされているのが、
「上弦の壱」である「黒死牟(こくしぼう)」です。

彼は、その名の通り、
「黒死病(ペスト)」
を引き起こす"ペスト菌"との同化を果たしたのです。

この物語は、大正時代の終わりですが、
その頃、世界中で大流行していものは・・・?

そう、ペストです!

つまり、大正時代で、もっとも危険な病原菌だった
ペスト菌と同化したから、「最強の鬼」となったのです。


ちなみに、映画「無限列車編」で出てくる
「上弦の参」である「猗窩座(あかざ)」という鬼は、
おそらく、麻疹ウィルスと同化しています。

麻疹(はしか)は、
別名、「赤斑瘡(あかもがさ)」と言われいて、
名前も似ていますよね。

麻疹にかかると、全身に湿疹が出たり、
目が充血したりするのですが、
猗窩座の見た目は、まさにそんな感じです。


そして、映画の続きの話となる「吉原遊郭編」に出てくるのは、
上弦の陸の堕姫・妓夫太郎です。

堕姫は、人間の時の名前が「梅」ですが、
その名が示す通り、「梅毒」です。
(実際、死んだ母親の病気から名付けられた、という設定なので
先天性の梅毒だったのだと思われます。)

梅毒は、性病の中でも、エイズに次いで毒性の強い病気です。
その梅毒と結合することで、強い鬼となったわけです。

そのお兄ちゃんである妓夫太郎も、
人間時代に、ガリガリに痩せ細った体で、
血の染みのような痣があり、歯がボロボロになっていたりと、
梅毒の症状が出ています。


ところで、この兄妹は、他の鬼と違って、
ある特徴があります。

それは、

「2人同時に倒さないと、復活する」

という厄介な性質です。


なので、どちらか一方を倒しても、
もう片方が生きていたら、
復活してしまうのです。


なぜ、この兄妹だけ、
こんな性質を獲得することができたのでしょうか??


それは、

「"梅毒"という同じウィルスと細胞を結合させた鬼」

だったからです。


もともと、鬼というのは、身体を切られても、
それぞれを遠隔で動かせるという特徴があります。

つまり、身体の細胞同士が、
何らかの方法で連絡を取り合っているのです。


ただし、首を「日輪刀(太陽の光を染み込ませた刀)」で斬ると、
復活できなくなります。


これは要するに、

・鬼の首のあたりに、身体全体の細胞に命令を送る「司令塔」が存在する

・しかし、その「司令塔」は、太陽の光を浴びることで機能しなくなる

ということです。


本来、1つの個体で生きている鬼は、
首を日輪刀で斬られたら、司令塔が壊されるので、
復活できなくなります。


しかし、堕姫・妓夫太郎の兄妹は、
同じウィルスと結合させた細胞を持つことで、
互いの身体が連絡を取り合えるようになり、

どちらかが首を斬られても、
もう片方の司令塔が生きていたら、
そこから肉体を復活させるように
命令を送ることができる、というワケです。


そして、鬼舞辻無惨は、

「全ての病気の根源」

となる存在です。


なので、あらゆるウィルスに命令を送ることができるので、
全ての鬼は、鬼舞辻無惨が操ることができるのです。


ここまでをまとめると、こういう仮説が作れます。

1.
鬼舞辻無惨の血には「細胞」と「ウィルス(病原菌)」を
結合させる物質が含まれていた

2.
その血をもらったら、様々なウィルスと細胞が同化して、
細胞分裂のスピードを高め、強化された身体を作ることができる
(それを繰り返すことで、肉体が進化し、人間の形を保たなくなる鬼もいる)

3.
その代償として、細胞分裂を繰り返すために、
人間の血肉を本能的に求めるようになってしまう
(理性が保てないと、ただ本能のままに人間を食う鬼となる)

4.
鬼は、首のあたりに、全ての細胞に命令を送る「司令塔」がある
(ただし、太陽の光によって、その機能は失われてしまう)

5.
鬼舞辻無惨の血をより多くもらうことで、
より多種多様な、あるいはより毒性の強いウィルスと結合することができ、
その結果、より強い鬼ができる


こんな感じです。


さて、だいぶ鬼の力の秘密に迫ってきましたが、
大事なのはここからです。


確かに、鬼舞辻無惨の血をより多くもらうほど、
より強い鬼になるのですが、
ほとんどの人間は、あまりに多くの血を注入されると、
自分の形を保てなくなって、死んでしまうのです。


血を沢山注入されても生きている人間と、
形を保てなくなって死んでしまう人間・・・。

この違いって一体何なのでしょうか??


実は、多くの血を注入された時に、強い鬼になる人間には、
ある「共通する特徴」があるのです。


それは何か?というと、

「何らかの強い"思い"を抱いている」

ということです。


そして、そういった強い思いを抱く(抱かざるを得なくなる)、
何らかの過去(トラウマ)がある、ということです。


例えば、映画に出てた猗窩座は、
人間だった頃、恋人が殺され、

「もっと強くならないと・・・!!」

という思いを抱いていました。
(映画ではそのエピソードは出てきませんが、
結構悲惨な過去を持っているのです。)


彼の「もっと強くなりたい!!」という力強い思いが、
鬼になっても、形を保っていられる軸となりました。

なので、鬼になった後も、
ひたすら強さだけを求め続けたのです。


他にも、鬼たちには、それぞれ壮絶な過去があります。
ずっと皆から虐げられていたことによる「怨恨」だったり、
どうしても欲しかった「絆」が手に入らなかったことによる「悔しさ」だったり、
様々な「強い思い」を抱いているから、
無惨の血を注入され、変形していった時に、
自我が保てたのです。


一方で・・・

鬼を倒すために集まっている人間たち、
「鬼殺隊」の人たちもまた、
強い思いを抱いています。


だけど、鬼たちと、人間たちとでは、
決定的な違いがあるのです。


それは、

人間たちは、チームプレイをして戦うことができるけど、

鬼たちは、個人プレイでしか戦えない

ということです。


どちらも同じ「強い思い」を抱いている両者なのに、
これが勝敗を分かつ決定的な要因となりました。


じゃあ、なぜこの差が生まれたのか・・・??


それは、人間たちは皆、

「あたたかみ」

を持っていたからです。


それをくれたのが、オヤカタ様(産屋敷)、
そして主人公の炭治郎です。

オヤカタ様は、日本にとっての天皇のような存在で、
常に皆のことを「我が子」だと思い、
全員を大事にしてきました。

だから、全員、オヤカタ様のことを心より慕い、
オヤカタ様の思いを大切にして、
心に火を灯してきたのです。

もともと、鬼滅の刃に出てくる人間は、
個性の強いキャラが多く、
とても連携プレイなんてできそうにない人ばかりです。

しかし、そんな彼らが、強い思いを持ち、
そしてその強い思いの中に「あたたかみ」があったから、
皆で繋がって、心を1つにすることができたのです。

そして、炭治郎もまた、
とても純粋な心の持ち主で、
誰よりもあたたかいのです。

だから、彼と触れた人たちは、
皆、「その人の良い部分」が発揮されるようになるのです。


逆に、鬼たちは、
「強さ」と引き換えに、
「あたたかみ」を失っていったのです。

強さと恐怖による支配のみで繋がり、
あたたかみの無い強い思いによって個体が形成されていた。

だから、太陽の光を浴びると、
消えてしまうのです。

太陽の光(あたたかみ)によって、
自分の軸となっていた「強い思い」が
壊れてしまうからです。


さて・・・

では、なぜ、竈門禰豆子は、鬼になったにも関わらず、
人間としての理性を保つことができて、
最終的に太陽を克服することができたのでしょうか・・・?

それは、炭治郎の「あたたかみ」に触れたからです。

禰豆子は最初、理性を失って、
炭治郎に攻撃しました。

でも、その時、炭治郎が、
逃げることなく、必死に、

「鬼になんてなるな!!」

と訴え続けたのです。


つまり、禰豆子は、
完全に鬼になる(=細胞がウィルスと同化する)前に、
炭治郎のあたたかみに触れたことで、
ウィルスとの同化を途中で中断させることができたのです。


そして、刀鍛冶の里編のラストで、
禰豆子は、鬼に襲われる人間を助けるため、
わざと太陽の光が当たるところに行こうとします。

それに気付いた炭治郎は、必死に禰豆子を守ろうとするのですが、

「私を守るより、彼らを守ってあげて」

と言わんばかりに、炭治郎を蹴り飛ばすのです。


鬼たちは皆、死を恐れていました。

「死ぬのが怖い」

この死への恐怖、生への執着こそが、
鬼舞辻無惨にとっての力の根源だったのです。


だけど、そこにあたたかみは無く、
他人のための行動は取れないのです。


しかし、禰豆子は、他人を守るために、
自分の命を省みませんでした。

つまり、「死への恐怖」を克服したのです。

その時、彼女は「太陽の光」を浴びても大丈夫な身体に変わったのです。


鬼たちがずっと求めていたもの。

それは「あたたかみ」だったのです。


傷付いた過去を持ち、
その記憶を封印するように鬼となり、
ひたすら生に執着してきた・・・。

だけど、全身で太陽の光を浴びたり、
太陽の光を浴びた刀(日輪刀)で首を斬られると、
身体は崩れて行くけれど、
死ぬ前に「あたたかみ」を少しだけ取り戻します。

忘れていた前世(人間だった頃)の記憶が蘇り、
あたたく、穏やかな心で、死んでいくのです。


人間たちの中には、鬼に対して「強い恨み」を持っている人もいます。

これは、ネガティブな感情なのかもしれませんが、
しかし、彼らは常に、オヤカタ様のため、仲間のため、人類のために、戦っているのです。

あの物語に出てくるキャラは、誰一人として、
「自分が勝とう」と思っている人はいません。

自分は別に負けてもいい。
だけど、次に繋いで、誰かが勝ってくれたらそれでいい。

そう思っているのです。

だから、最強のチームプレイを実現して、
鬼たちを倒していくことができるわけですね。


さて、「疫病」を"裏テーマ"にしたこの作品。

まさか、鬼滅の刃が連載終了する2020年にコロナが流行るなんて、
作者も驚いているのではないでしょうか。

コロナとは、「太陽」のことを意味します。

そして、2020年は子年(ねずみどし)です。


ねずみと言えば、ねずこ。


つまり、

「ねずこが太陽を克服して、人間に戻る」

というのは、

「2020年(子年)にコロナを克服する」

という暗示です。


そして、そのための鍵となるのが、

「あたたかみ」

だったのです。


今、コロナによって、
人々は目に見える繋がりを
失ってしまいました。


しかし、目に見えないところで、
「あたたかみ」のある繋がりは、
決して失うことはありません。


コロナから身を守る方法は2つあります。

1つは、

「ひたすら自粛して何もしない」

ということ。

これは、鬼舞辻無惨が、

「生きることだけに執着した生命体」

と言われているように、
ただ死を恐れて生に執着するだけです。


鬼滅の刃の人間たちは、

「いつ死んでもいい」

と思って生きていた。


煉獄さんは、

「俺は、俺の責務を全うする」

と言って、最後まで戦い抜きました。


そんな「美しい生き様」を残して、
その思いの炎を繋げて、どんどん大きな炎にしているから、
強くなれるのです。


そう思って、鬼滅の刃のOPの歌詞を見ると、
非常に深いなと思います。

=======
強くなれる理由を知った 僕を連れて進め

どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう 悲しみよ
世界にうちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ!運命を照らして
=======

死を恐れ、生に執着し続けた鬼たち

  vs

死を恐れず、今を生きた人間たち


僕らは、鬼滅の刃から、
こう言われているのではないでしょうか。

「今こそ、あたたかみのある繋がりを取り戻し、
皆で一致団結して、コロナを乗り越えよう!」

そんな神様からのメッセージのようなものを、
この鬼滅の刃という作品から感じました。


コロナは、撲滅するのは不可能です。

そうでは無く、

「あたたかみを持って、コロナと共存していく道」

を歩んでいきましょう。


鬼滅の刃に関しては、他にも様々な考察ができる作品です。
(本当は1Dayセミナーをやりたいくらいです。笑)

今後も、ちょくちょく考察を書いていけたらなと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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