小説・みじめすぎるGW 2024
一人ぼっちで家にいると、ピンポーンと呼び鈴がなった。
宅配便かと思って、間違えてだれか確かめずに玄関の戸を開けてしまった。
すると70年代みたいな地味な服装でピッチリ七三分けした男性数人と、化粧っ気のない、なんだか味気ない服装をした女性数人が立っていた。
「あなた、GWで一人ぼっちでさびしいですよね? 私たちがあなたの遊び相手になってあげますよ!!」
どこかのカルト集団か。
急に怒りがこみあげてきた私は、一人ひとりをビンタし、男性陣のみに殴る蹴るの暴行を加え、警察に電話しようとしたヤツのスマホをひったくり、尻に挟んだ後、地面に叩きつけてへし折った。
私が何の予備動作もなくそれらの行動をしたので彼らはパニックになり、逃げだそうとしたのでふだんから餌付けしている隣の家のドーベルマンに叫んだ。
「行け!! ドーベルマン!!」
ドーベルマンと言われたドーベルマン(本当の名前は知らない)は、つながれた鎖を引っ張って彼らに吠えかかった。
パニックになった彼らは道路にいきなり飛び出し、走ってきたタンクローリーにはねられて全員死んでしまった。
警察に事情を聴かれて、大変迷惑だった。
そして、彼らがカルト団体ではなく、
「東日本ひとびとを笑顔にする会」
だとわかったのである。
ま、それもカルトみたいなもんだったけど。
おしまい
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