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小説・世界一おもしろい桃太郎

昔むかし、あるところに、

ゴギーギャンとピョローペンが住んでいた。

ゴギーギャンはパチンコに、
ピョローペンは家でじっとしていた。

すると、家の壁を突き破って巨大な桃が部屋に飛び込んできた。

ピョローペンはその桃をはっしと受け止めた。
彼は相撲をやっていたから、そういうのに強い。

桃からは何も出てこなかった。

アンチクライマックスである。

ちなみに、中身は空洞だった。

一方、ゴギーギャンはパチンコに行く途中、犬、サル、雉と出会った。

犬、サル、雉は三人組で、

三人で手をつないで空き地でクルクル回って踊っていた。

ゴギーギャンがクルクル回っている三人を眺めていると、
その回転はどんどん速くなり、

「ブィーーーーーーン!!!!!!」

という音とともに、空に飛びあがって消えてしまった。

その頃、桃太郎は、
さびれた遊園地を再建するため、
「紙芝居・塩キャラメル珍道中、平成源平合戦!!」

というのをやろうと思っていたが、絵が描けないため断念。

そのため、さびれた遊園地のいちばん目玉は、
「動かない観覧車」だけだった。

お客さんはみんな、動かない観覧車のいちばん下のカゴに乗って、地上の景色を見た。
みんな神妙な顔をしていた。

おしまい


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