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なぜ「ソ連」を取り上げるのか

ニコニコ超会議 マニアフェスタでは「ソ連・中東欧旅行マニア」として出場するわけですが、なぜ「ソ連」なのでしょうか。それを書きたいと思います。

なぜ「ロシア」ではなく「ソ連」なのか

クレムリン

単純に展示する物がソ連時代というのが大きな理由のひとつです。たとえば在日ソ連大使館が発行していた「今日のソ連邦」やソ連鉄道時刻表を展示。さすがにソ連時代の物が多いのに「ロシア」はまずいだろう、ということです。

つまり視点が「現在」か「30~40年前」かということです。今回は視点が「30~40年前」になり、現在の状況はあまり取り扱いません(過去10年間の私が撮った写真はスライドでお見せします)。

なぜ「現在」にスポットを当てないのか、先述した理由もあるのですが、もうひとつは少なくとも現在のロシアの在り方を支持できないからです。

「モヤモヤ」を抱えたままイベントに参加してもねえ、だけど「ロシア」は取り扱いたい。この矛盾した気持ちを解決するために「ソ連」という表記を自然と選択したのでしょう。

キサマはソ連の蛮行を支持するのか

レーニン廟

「ソ連」と聞くと、特にご年配の方は第二次世界大戦におけるソ連軍の蛮行をイメージすることでしょう。シベリア抑留、カチンの森、ラーゲリなど、数えだしたらきりがありません。もしかしたらナチス・ドイツと同じくらい? と思わなくもありません。

「キサマはソ連の蛮行を支持するのか」と問われたら、もちろん答えは「NO」です。その証拠に私は旧ソ連諸国を訪れたら、必ずソ連時代の蛮行を展示した博物館を訪れています。したがって、一般の日本人よりも少しはソ連が犯した罪を知っていると思います。

それでは「ソ連はナチス・ドイツと同じか」と問われたら、それも答えは「NO」です。ソ連が犯した特大級の罪は主にスターリン時代に起きました。

スターリンが亡くなった3年後の1956年にフルシチョフは「スターリン批判」を行い、中途半端ながらもスターリンのやり方を踏襲しないと宣言したのです。そもそもスターリン時代を踏襲していたら、1991年まで続かなかったでしょう。

1970年代のブレジネフ時代になるとソ連にも一応の平和と安定が訪れます。もちろん今では考えられないような政治的事件もありましたが、それは西側諸国にも当てはまります。

平和と安定の時代には人々の平穏な生活がありました。そして多くの旅行者がソ連を訪れ、当地の旅を楽しんだのです。旅行者には私の祖父も含まれます。現に旧ソ連諸国を訪れると「ソ連時代はよかった」という声は少なくありません。

このソ連体制化の平穏な日々、楽しい旅行を紹介することはとても有意義だと私は思います。

日本には言論の自由がある

いくら「ソ連」を展示するからといって、ソ連体制を盲目的に称賛したり、スターリンの肖像画を貼ることはしません。一方、良識の範囲でソ連体制下の平和と安定の時代を紹介することは少なくとも日本社会において許されると思います。いや許されるべきです。

日本には憲法に書かれているとおり言論の自由があります。その自由を行使しなければ、自ずと表現できる範囲が縮まることになりかねません。一方、暴力シーンを控えるとか、周りへの配慮も必要です。

この両者のバランスに配慮すれば自ずと「ソ連・中東欧旅行マニア」の展示は理にかなったものになるでしょう。

ニコニコ超会議2022 マニアフェスタ
開催日:4月29日・30日
開催場所:幕張メッセ(JR海浜幕張駅から徒歩約5分)
料金:アーリー入場券3,000円、一般入場券2,300円
販売時期:2022年4月2日(土)10時00分~2022年4月28日(木)23時59分
※数量限定のため、なくなり次第販売終了いたします。
公式HP:https://chokaigi.jp/

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