フィンガードラム入門!!初心者がブレイクビーツ(ドンドンタンスタスタドッタン)を最短経路で習得する方法
こんにちは!ニトロプラヅマと申します。
テクノ、ブレイクビーツ、ドラムンベースを主に作成するDTMerであり、MIDI機器を開発する一人メーカー開発者でもあります。
フィンガードラムを知ってから、毎日仕事の合間を縫って少しずつ叩きながらアレンジを少しずつ覚えていき、ゆっくりながらも、長く続くライフワークとして続けております。
フィンガードラムのことを今まで見たことがない、という方のために私のプレイの動画をご用意致しました。
ね、おもしろそうでしょ?
今、自分のフィンガードラム習得のはじめのとき、どんなだったかな、と思い返してみると、本当にちょっとしたコツを掴むことで「あっ、叩けてる!!」と思えるぐらいのプレイまで到達して、そこから先は勝手に指が覚えていく、という流れに乗れたなぁ、と思っています。
今回は「フィンガードラムにチャレンジしてみたい!!」とお考えの皆さんと、今回自分が掴むことのできたコツを共有したいと思い、このnoteを作成するに至りました。
さて、早速核心に入りましょう。
私が練習の初期で上達の流れをつかんだコツ、それは「ブレイクビーツ(シェイクビート)」なのです!!
ブレイクビーツといえば、昔デジロックとも呼ばれた、The Chemical Brothers、Prodigyといったサンプラーによってテクノとロックを融合させたエレクトリックミュージックのいちジャンルを思い浮かべる方々もいらっしゃるでしょう。ちなみに思い浮かべた方、歳、バレてますよ(笑)
実はこういったアーティストたちが好んで使ったサンプルが、このシェイクビートと呼ばれるドラムパターンなのです。
実際に叩いてみましょう。
よくドラムの教本などは8ビートなどから始まっているのですが、フィンガードラムを志す方々は、8ビートにあまり興味が無いのが普通でしょう。もちろん8ビートは基本ですし奥が深いのは十分承知ですが、やっぱり最初は思いっきりシェイクビートを叩きたい、というのが人情だと思うのです。実際に生ドラムを覚えた人もこのシェイクビートを体得するとこのビートの持つ中毒性からずっと叩き続けると云われます。
そして冒頭で紹介した動画も、何を隠そうこのシェイクビートの応用形です。一度このビートを覚えると、そこからHIPHOPやChemicalチックなブレイクビーツサウンドまで、色々なクラブサウンドを叩けるようになるのです!
本noteが目指すのは、ドラム理論や基礎を一旦全て脇に置いて、とにかくこのシェイクビートを最短で叩けるようになることです。
フィンガードラムや生ドラムの基礎を知る方から見ると、きっとこれは暴挙なのだろうと推測します。しかしながら、人間というのは本当にものぐさな動物です。楽器を覚えるモチベーションを保つには、基礎練だけではへこたれてしまうのが人情なのです。
やっぱり気持ちよく叩きたい、体を揺らしながら、本能に任せてビートを奏でたい。これは人間の持つ基本的な欲求なんだと思います。
今、フィンガードラムの入り口に立とうとしている方々に、私はこのシェイクビートという奥義をどうしても伝授したいのです。どうかお許しを。
では参りましょう!!
パッドレイアウト
まずはパッドレイアウトからです。今回はシェイクビートを叩くことに全力を傾けます。従って、必要なパッドのみレイアウトし、他はすべて省略です。なんてったって「最短」ですから!
では早速叩いていきましょう!!
ステップ1 ドンタン
それではステップ1、ドンタンです。
メトロノーム?とりあえずいりません。あればよりいいですが、まずは、このドンタンドンタン。ちなみにこのフレーズ、親指がバスドラム、人差し指がスネアドラムを叩きます。使うのは利き手です。左手はしばらく待機を命じてください。体に親指バスドラム、人差し指スネアを覚えさせることが目的です。このステップ1は叩ける実感があればそこまで時間をかけなくても大丈夫です。
ステップ2 ドドタン
さあ、ステップ2、ドドタンです。
ステップ1はすんなりいった方も、最初のドドが入ることによって引っかかる部分も出てきたのではないでしょうか?まずは1回、引っかからずに叩けることを目標にして、叩けたら次は2回連続、3回連続、と繋げて叩いていきます。8回連続叩けるようになればあとは何回でも繋げられます。理想としては1分ぐらい緊張感無く叩けるようになるまで続けると良いでしょう。
ステップ3 ドチタチ
そして鬼門ステップ3、ドチタチです。
ここから第3のパッド、クローズドハイハットが入ってきます。8分音符で必ずハイハットが叩かれるのでステップ1のドンタンドンタンの隙間、「ン」が「チ」に変わります。一方で、他のパッドがなっている「ド」と「タ」のタイミングでも同時にハイハットが叩かれます。つまり、{バスドラ+ハイハット}→ハイハットのみ → {スネア+ハイハット} → ハイハットのみ→。。。と指2本で叩く→指1本で叩く→。。。を繰り返す動きになります。バスドラムが親指、スネアが人差し指、ハイハットが中指です。集中しなくても叩き続けられるようになるまで繰り返し練習します。
ステップ4 ドドタチ
ちょい足しでステップ4ドドタチです。
ステップ3にバスドラムをもう一つ加えたリズムです。ハイハットは8分音符で叩きつつ、ハイハットと同じタイミングで親指で「ドド」と2回叩きます。少しなれてきたらハイハットに注目してみましょう。チチチ。。。という音が一定のリズムを保てていることを確認してください。次のステップから16分音符の刻みが入ってきます。ここがもっとも大きなステップとなるので、このステップ4は意識を集中しなくても叩けるまで練習してください。
ステップ5 ドンドンタンスタ
最大の難所、ステップ5、ドンドンタンスタです。
ここで初めて出てくる「スタ」は、いわゆる裏打ちです。裏というのはハイハットを打っている8分音符のスキマのことを言います。つまり、この「スタ」はハイハットとハイハットのスキマにスネアを打ち込む音なのです。このシェイクビートの最大の特徴、そしてブレイクビーツやヒップホップのリズムにつながるグルーヴ感の根源、それこそがこの「スタ」なのです!
つまり、フィンガードラミングをノリノリで演奏できるかどうかの境目、これこそがこの「スタ」であり、このnoteが伝えたい真髄なのであります!
そして、もう一つこの「スタ」に関して重要な事項があります。それは、フィンガードラムにおいて、「スタ」は左手(左利きの人は右手)で打つ!ということです。左手人差し指を使って「スタ」を打ち込みます。
たった一発のスネアが単調だったリズムに息吹を吹き込みます!!
集中せずに叩けるようになるまでひたすら繰り返します。一方で、少しずつ叩くことの楽しさを感じられるのではないでしょうか?
ステップ6 ドンドンタンスタドタドッタン
シェイクビートに到達!ステップ6 、ドンドンタンスタドタドッタンです。
ステップ5にもう一発「スタ」を足して、ハイハットとハイハットのスキマに2回連続で左手のスネアを打ち込みます。ハイハットに注目すると「ツタツタ」16分音符を右手左手と交互に4回連続叩く動作になります。2回目のハイハットにはバスドラムが重なってくるため、トータルのリズムとしては「スタドタ」に聞こえるわけです。
叩いてみてお気づきかもしれませんが、このリズムでもすでにシェイクビートとして成立しています。ここまでのステップとは明らかに違った「叩く快感」を感じられると思います。それが感じられたのなら、これ以降のステップに急ぐ必要はありません!まずは心ゆくまで叩いて、叩く快感に身を委ねるのです!
ステップ7 ドンドンタンスタスタドッタン
軽やかに、ステップ7、ドンドンタンスタスタドッタンです。
これまでのステップアップは音を足すことでビートを進化させてきましたが、このステップでは違うアプローチ、「音を抜く」をやります。ステップ6の「スタドタ」部の「ド」、つまりバスドラムを抜くのです。すると、裏打ちの4発は左手スネアと右手ハイハットで打たれることになり、バスドラムの低音から解放されることになります。このバスドラ抜きにより、裏打ちの「スタ」に軽やかさが生まれ、ビートに重い/軽いのコントラストが生じます。このコントラストが8拍のパターンの中にもう一つの異なる周期のパターンを生じさせ、心地よさを生じさせるのです。ハイハットとスネア裏打ちの計4発を、自分も軽くなるような気持ちで「スタスタ」と叩いてみてください。叩いているあなたもまるで自分の手に踊らされるかのような、味わったことのない心地よさに身を委ねることでしょう。
ステップ8 ドンドンタンスタスタドッタンチー
仕上げのステップ8、ドンドンタンスタスタドッタンチーです。
もうステップ7ですでにシェイクビートとしては完成されていますが、もう一つだけ、スパイスを加えましょう。これまで叩いていたハイハットは「チ」と短くなるクローズドハイハットでした。しかし、最後の一発のハイハットをオープンにすることで、単調だったハイハットのラインに変化が生まれ、ここにもう一つの周期の違うリズムが組み込まれるのです。ハイハットはあくまで表(8分音符)の音なので右手で叩きます。最後の一発のハイハットの時だけ、右手を左側に平行移動させ、クローズドハイハットの隣のオープンハイハットを叩きます。そのあとすぐに元のポジションに戻り、次の8拍の頭のクローズドハイハットを叩きます。
完成!!ブレイクビーツ!!
さあ、ついに完成!あなたはついにブレイクビーツを体得したのです!!
もう、あなたを止めるものは何もありません!心ゆくまで叩きまくってしまうのです!
シェイクビートの応用例
このシェイクビートに慣れてきたら、裏打ちを色々なタイミングで入れることができるようになってきます。打ち間違いをした時に「あれ?もしかして新しいリズムになるんじゃ?」と応用的リズムが見つかることもよく出てきます。
おわりに
さあ、あなたはついにフィンガードラムの広大な世界のドアを開けたのです。ここはまだ人類に知られて間もない未開の地なのです。
だからこそ、あなたが挑戦する価値があるのです!
この新たに体得したシェイクビートを武器にあなたの世界を広げていってください!!
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