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イタリア前衛/実験音楽入門編 ジャンル別重要レーベル一覧

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【前衛音楽〜ミニマル・ミュージック系】

〈Cramps Records〉アレアやアルティ・エ・メスティエリを始めとしたイタリアのプログレ〜アヴァンギャルドな音楽の聖地として広く知られる。ここに残された作品の中でも、Franco Battiato (プログレッシヴ・ロックからニューウェイヴ、前衛音楽までも手がけるイタリアの著名シンガー/作曲家)がともにプロデュースしたRaul Lovisoni / Francesco Messina「Prati Bagnati Del Monte Analogo」、Giust Pio「Motore Immobile」は対になるイタリアン・ミニマリズムの結晶的作品である。前衛即興~アヴァン・ジャズ〜実験系シリーズ〈DIVerso〉、前衛/実験音楽名シリーズ〈Nova Musicha〉などの功績も大きい。この二つのシリーズは〈ストレンジ・デイズ〉が2007年に全カタログ日本盤CDリリースを敢行している。

〈Bla Bla〉50年代後半からの膨大な楽曲提供でも知られるミュージシャン/プロデューサーのPino Massaraが1970年にミラノで創設し、1976年まで運営していた短命なレーベル。Franco Battiato(フランコ・バッティアート)もここにガッツリ関与。この人によるプログレや前衛的な70年代の作品(『Clic』、『Fetus』、『Pollution』、『Sulle Corde Di Aries』、『M.elle Le "Gladiator"』等)がここ〈Bla Bla〉に残されている。空想的民族音楽集団のAktualaやバッティアート肝いりのシンガーであったJuri Camisascaを輩出したことも重要な事実と言える。Capsicum RedやOsage Tribeといったニッチなプログレ系作品も未だ支持が根強く、原盤は高値で取引されている。

〈L'Orchestra〉74年末にStormy SixのFranco Fabbriなどを中心としてミラノで結成。RIO系プログレから前衛音楽、アヴァン・ジャズ、フォークロア、社会風刺まで巻き込んだミラノのヘンテコ・レーベルの筆頭格。83年まで10年近くにわたって活動。非商業的な音楽のプロモーションを主な目的としており、前述した音楽のみならず、社会風刺などポリティカルなものから宗教色の強い音楽、そして、ポピュラー・ミュージックまで、あらゆる種類の音楽をリリースしていた。そして、当時のイタリアとしては珍しく、アーティスト自身が直営で運営しているレコード・レーベルであった。

〈Die Schachtel〉03年にBruno StucchiとFabio Carboniによって設立。ミラノを拠点に活動し、音響彫刻やミュージック・コンクレート、音響詩などイタリアの前衛音楽の系譜を体系化してきた名門中の名門レーベル。Prima Materia、Luciano Cilio、Lino Capra Vaccinaなどの歴史的再発で知られる。

〈Soave〉ライブラリー系やサントラ、ジャズ等の作品群でも知られる名門〈Cinedelic Records〉のサブ・レーベルとして2016年に誕生。まさにイタリア前衛音楽〜ミニマル・ミュージックを現代へと呼び起こすべく存在していると言えるようなレーベルであり、Arturo StalteriやGiovanni Venosta、Roberto Musci、Riccardo Sinigagliaなどを始め、70年代後半から90年代前半のイタリアに残された数々の傑出した作品たちを掘り起こした。

〈Black Sweat Records〉2014年のFuturo Anticoの再発を機にイタリア前衛音楽の系譜へと深く切り込んでいった再発レーベル。Walter Maioliらによる知られざる電子音響/フィルレコ傑作「Amazonia 6891」を始め、バッティアート周辺のシンガーであるJuri Camisasca、そして、バッティアートとこの人に加えて、 Lino Capra Vaccina、Roberto Mazzaらも参加したTelaio Magnetico、Aktualaの後身のひとつGruppo Afro Mediterraneoなどを掘り起こし、イタリア前衛音楽が秘める崇高な世界観を知らしめていった。

〈Alga Marghen〉90年代から実に長きにわたって、世界各地のオブスキュアな現代音楽や前衛音楽、LAFMS、果てはアウトサイダー・ミュージックまでも掘り起こしてきた稀代の名門発掘レーベル。Ghédalia TazartèsやEliane Radigue、Charlemagne Palestineといった作家の現代の地位をより磐石たるものにしたのはこのレーベルによる紹介も大きいだろう。

〈Archeo Recordings〉90年代日本産バレアリックの名アクトSth. Notionalやイタリアの音響派ニューエイジなRoberto AglieriやRiccardo Giagniといった秘宝の数々を掘り起こし、イタリア前衛音楽の再評価の一翼を担う名門。主宰者でありDJ/レコード・コレクターのManu•Archeoは今年、50部限定のニューエイジ〜ダウンテンポ系ミックステープを発表している。

〈Orbeatize〉世界中のマニアックすぎりレコードを紹介する人気ブログ、の〈Boxes of Toys〉を運営するGianni aka Cesare Barbetta主宰の発掘レーベル。UnknownmiXの一員Ernst Thomaやカリフォルニアのオブスキュア・ニューエイジなConrad Praetzelといった知られざる作家たちを再提示した。

〈Lynx Records〉建築家/作曲家のRoberto Donniniが主宰していた自主レーベルだが、自身の作品を始め、Lino Capra Vaccina、Giuseppe Morrocchi、Arturo Stalteriなどによる傑出したミニマル/電子音楽作品が残されており、そのオリジナルのどれもが高額で取引されている。長らく再発が待望されてきたが、Arturo Stalteri以外は未だ手づかずで難しいのかもしれない。

〈Stile Libero〉ジャズからイタリアン・ミニマル、エスニックな作品まで地味ながらも良質な作品で知られるオブスキュアな音楽の小さな宝庫的レーベル。Paolo ModugnoやTiziano Popoli、Riccardo Giagni、Vincenzo Zitelloといった昨今再評価を浴びる作家も作品を残しており、再発された作品もあることから、一部のカタログがだんだんと値上がりを始めている。

〈Lily Record〉昨今、自主的に過去作品の再発を始動したレーベルで、最近までその存在さえ認知されていなかったが、イタリアン・ミニマリズム〜アンビエント系の非常に質の高い作品を擁している

〈Materiali Sonori〉イタリア版〈Rough Trade〉的な大御所レーベル。まさにそんな感じの存在であり、TuxedomoonやThe Durutti Column、Zazou Bikaye、Minimal Compactといった海外の人気バンドのイタリア盤などを出したりしているなかに、フィレンツェの前衛的民族音楽集団のZeitやThe Lounge Lizardsの創設メンバー/ベーシストのSteve Piccoloがイタリアのみで発表していた前衛的な作品である「Domestic Exile 」(先日〈Mental Experience〉から始めて再発)などが混じったりしている。

【90年代以降〜現行のエクスペリメンタル・ミュージック】

〈Silentes〉2004年に設立された電子音楽系名所。サブ・レーベルである〈13〉と併せて現代イタリア地下シーンの重要レーベル。Rod Modell、Maurizio Bianchi、Aube、Mauthausen Orchestraなどの作品で知られる。

〈Senufo Editions〉ミラノの名ギタリスト/実験作家のGiuseppe Ielasiが主宰してきた数々のレーベルのひとつで今も現役で動いている。イタリアの地下実験音楽シーンで最も重要かつ質の高いレーベルでもあり、Andrew PeklerやKassel Jaeger、Akio Suzuki、Asuna、Nicola Ratti、Stephen Cornford、冷泉といった世界各地のユニークな実験音楽家が揃い踏みである。

〈Sagittarius A-Star〉2010年に設立。中東のフリー・ジャズ/インプロなどニッチすぎるカルト音源の発表で知られる。フィジカル・リリースのみ。

〈Morphine Records〉Rabih Beainiによってイタリアで設立。現在ベルリンに拠点を移している電子音楽系レーベル。Hieroglyphic Being、Metasplice、Charles Cohen、Sote、Senyawa、Pauline Oliveros、Pierre Bastienなど世界各地の傑出したアクトを取り揃えている。

〈Mannequin Records〉 Alessandro AdrianiとCarlo Cassaroによってローマで設立、現在ベルリンを拠点にコールド・ウェイヴ系のニッチな現行アクトを活発に紹介、再発/編集盤リリースもおこなっている。

〈Hundebiss〉現STILLことDracula Lewis(Simone Trabucchi)が主宰。イタリア1サグい音楽を発信してきたユニークなレーベル。Sewn Leather、Jaws、James Ferraro、Lil Ugly Mane、Aaron Dillowayなどが在籍。

〈Presto!?〉 〈Warp〉在籍で知られるLorenzo Senniが主宰。〈Room 40〉のボスLawrence English、John Wiese、Lasse Marhaug、Gábor Lázár、Marcus Schmickler、Palmistry、Donato Dozzyなどが在籍している。〈Senufo〉とは良い対比になっているレーベルだろう。

〈Haunter Records〉13年に設立。ポスト・インダストリアルや尖鋭的なテクノ、エクスペリメンタル・エレクトロニック系などにフォーカスしている。Weightausend、S S S S、Petit Singe、Noumeno、Sense Fracture、Jesse Osborne-Lanthier、Zuliなどユニークな面々が集う。

〈Gang Of Ducks〉12年創設のエクスペリメンタル〜アヴァンギャルドなテクノ系のレーベル。現在、トリノとベルリンを拠点に活動。Dave SavedやS Olbricht、Sablaといった若手のほか、Shit And ShineやSudden Infantのような曲者なベテランも名を連ねている名所。〈Haunter〉とよく似ている。

〈Dark Companion Records〉本項でも紹介したLino Capra VaccinaやKeith Tippett、Markus Stockhausenなどが在籍。本格的なジャズから民族音楽、実験音楽、西洋と東洋のクラシック音楽といったものを混淆させた独創的な音楽の数々をリリースしている。

〈Ants〉サウンド・アートやミニマル、エレクトロアコースティック等に注力するイタリアの実験系名所。Pietro GrossiやGigi Masin、If, Bwana、Luca Miti、Philip Corner、Werner Durand、Manuel Zurriaなどが在籍。

〈I Dischi Di Angelica〉Massimo SimoniniとMario Zanzaniがボローニャで創立した〈AngelicA Festival〉のレーベル部門。〈ReR Megacorp〉が配給。Fred Frith、Eyvind Kang、Alvin Curran、Silvia Tarozzi、Charlemagne Palestine、Pauline Oliveros、Phil Minton、Roscoe Mitchellなど。

〈8mm Records〉2003年に設立。フリー・インプロやフリー・ジャズ、サイケ、DIYな電子音楽のほか、日本のアングラ音楽にも関心を向けてきた名レーベル。Teatro Satanico、Ashtray Navigations、Virginia Genta、水晶の舟、魔術の庭、Up-Tight、C. Spencer Yehといった豪華面々を擁する。

〈Second Sleep〉Drug Age、Lettera 22といった実験グループにも参与するMatteo Castro主宰のノイズ〜コンクレート〜実験系レーベル。以前からジャケット・アートワークの統一感が非常に秀逸でとても良い。

〈Hic Sunt Leones〉イタリアのアンビエント職人ことAlio Die主宰。

〈Von〉Carlos CasasとNico Vascellariが主宰、コンテンポラリーなヴィジュアル&サウンドアートに注力している。John Wiese & C. Spencer Yeh、Burial Hex、Prurient、Z'EV、John Duncan、Aaron Dilloway、Ghédalia Tazartès、Jacob Kirkegaardなどの作品で知られている超名所。

〈Elica〉他にも〈Aquilifer Sodality〉や〈Nepless〉といったレーベルの運営で知られるAndrea Cernotto主宰のスモール・レーベル。20年以上活動しており、Luc Ferrari、Little Skull、Steven Stapleton & Christoph Heemann、Dedalus、Confusional Quartetなどの作品を擁する。

〈Holidays Records〉パンクからサイケ、エクスペリメンタル、ノイズ、フリー・ジャズまで多岐にわたる変態的カタログで知られる名門。

〈Fringes Recordings〉Giuseppe Ielasiが主宰していた名所のひとつでありイタリア地下音楽の到達点的レーベル。Valerio Tricoli、Alessandro Bosetti、John Butcher、Michel Doneda、Rolf Julius、Eliane Radigue、Alvin Curran、Kapotte Muziekといった非常に豪華な面々の作品を揃えている、

〈Joy De Vivre〉Elisha MorningstarことFrancesco Tignolaが運営していた10年代以降のひとつの伝説的なカセット・レーベル。フィジカル・リリースのみ。やや色彩の近い〈Strange Rules〉主宰のCremation Lily、Burial Hex、JS Aurelius、Lasse Marhaugといった名アクトたちが在籍している。この時代に珍しくblogspotでの運営にこだわり続ける硬派なレーベルである。

〈Unexplained Sounds Group〉世界各地のアンダーグラウンド・シーンを特集したニッチなコンピレーション・アルバムを発表している要所。

〈Schoolmap〉Giuseppe IelasiとFrancesco Tenagliaがミラノで運営していた大変良質なレーベル。LAFMSのTom Recchion、Eliane Radigue、Andrew Pekler、Akira Rabelais、Konrad Sprengerといった豪華面々が在籍。

〈Canti Magnetici〉南イタリア拠点。Carlos Casas、Elisha Morningstar、Giovanni Di Domenicoなども在籍するカセット専門レーベル。

〈NO=FI Recordings〉2001年から2018年まで活動。米国の地下シーンにも通じる独特のサイケ観を感じるレーベル。

【インダストリアル〜ノイズ系】

〈Urashima〉2009年から活動を展開し続ける現代イタリア随一のノイズ・レーベルであり、Black Leather Jesus、The Rita、Burial Hex、Bizarre Uproar、Mauthausen Orchestra、Atrax Morgue、Merzbow、The Sodalityなどを始めとした強力なカタログを取り揃えている。盤質はあまり良くはないが、質の高い作品群で知られており、ボックスなどの装丁も極めて美しい。

〈menstrualrecordings〉2005年に設立。Alessandro BoselloとAlessandro Camardoによって運営される非常に優秀なレーベルであり、MerzbowからMaurizio Bianchi、Giancarlo Toniutti、Produktion、The New Blockaders、Mauthausen Orchestraといったノイズ/インダストリアル音楽史における重要な面々たちの良作を中心に復刻リリースなどを展開している。

〈ADN〉本項でも取り上げたミラノ拠点の地下レーベル。国際的な面々を揃える。昨今のイタリア地下/前衛音楽の再評価でも注目を浴びていた。もともと、はイタリア初のエクスペリメンタル系音楽の英語版ファンジンとして生まれたもので、創刊号は「L'Amore del Nipote」と呼ばれており、その頭文字をとって〈A Dull Note〉〈Auf Dem Nil〉などレーベルの様々なブランドを名付けた。「Out Of Standard!!」と称したこれらのファンジンは、ブックレットに加え、オプションのサンプラー・カセット付属で欧州各国の地下音楽を紹介するものとなっていた。

〈Spittle Records〉84年から88年にかけて活動していたニューウェイヴ系の名門。06年に再始動し、カタログの再発もおこなっている。A.T.R.O.X.やLimbo、State Of Art、2+2=5、Chrisma、Neonなど伝説的アクトが揃う。

〈Old Europa Cafe〉ノイズ〜インダストリアル、ダーク・アンビエント等、80年代から現在まで活動を続けてきた老舗中の老舗。

〈Slaughter Productions〉イタリアン・インダストリアル/ノイズ史における最大の狂気であり、今も尚再発ラッシュが止むことのない夭逝のノイジシャンAtrax MorgueことMarco Corbelliが90年代から00年代にかけて運営した伝説的なレーベルで今もなお世界各地のノイズ・マニアから熱烈な支持を受ける。

〈Aquilifer Sodality〉イタリアン・パワエレ代表格The SodalityのAndrea Cernottoが主宰。Mauthausen Orchestraの貴重な作品群も知られる。

〈Trax〉1981年から1987年にわたって存続。 メール・アートでも知られるVittore Baroniらが主宰した伝説的レーベル。

〈Minus Habens Records〉Ivan Iuscoによって87年に設立されたインダストリアル/ダーク・アンビエント系の名所。

〈Misty Circles〉84年にAin Sophのメンバーなどによってローマで設立されたカルトなインダストリアル/ダーク・アンビエント系レーベル。

〈Murder Release〉ノイジシャンMurder CorporationことMoreno Daldossoが主催したノイズ/インダストリアル系レーベル。M.B.やその過去名義Sacher-Pelzのブート、Sshe Retina Stimulants、Iugula-Thor、Slogunなど。 

〈Tasaday〉前述したTasadayや前身バンドのDie Form、Nulla Iperrealeといった関連の作品がリリースされている。

〈Azteco Records〉主に80年代中盤から後半にかけて少数のアナログを発表。Tomografia Assiale Computerizzata、Kind Of Cthulhu、Tasadayなど。

〈666 Production〉伊リチュアル・インダストリアル名プロジェクトであるCapricorni Pneumatici関連の自主レーベル。87年発表のセルフ・タイトル作品「Capricorni Pneumatic」 が〈Tesco〉から、変名Ambienti Coassialiでの88年作「Vol. 1 - Room 1-6」が〈Incidental Music〉から再発された。

〈Less Than Zero〉ノイジシャンDead Body LoveことGabriele Giuliani主宰のカセット・レーベル。Contagious Orgasm、Atrax Morgue、Richard Ramirez、Rotten Piece、Macronympha、Slogun、K2など。

〈Audio Dissection〉 Mo*TeやKazumoto Endoともコラボレーションしてきたノイジシャン、EncephalophonicことEmanuele Bonini主宰のハーシュ・ノイズ系レーベル。Black Leather Jesus、Macronympha、Knurl、Government Alphaなどの作品も発表している名所。

〈Technological Feeling〉MGZやF:A.R.、Open Graves Styleなど伊実験ノイズ狂、Mauro Guazzotti関連作の自主レーベル。本邦のS·Core、昨今地味に再評価された兄弟インダストリアル・デュオThe Tapesなども在籍。

〈Blade Records〉1999年から2007年にかけて、Sigillum SやTam Quam Tabula Rasa、Ultima Rota Carri、MSBR、Contagious Orgasmなどを始め、インダストリアル、パワエレ、ダーク・アンビエント系の比較的良質な作品をリリース、CD−R再発もしていた。装丁にもなかなかこだわりを感じる。

〈The League Of The Gloomers〉Endless Nostalgia作品など、80年代中頃にニッチで質の高いニューウェイヴ〜シンセ・ポップ〜ミニマル系作品を少数発表。16年に再始動し、少部数のCD-R再発リリースを展開している。つい先日この中から、どマイナー作家Luca RigatoによるBi Nostalgia名義の90年作にしてイタリアン・ミニマル/ニューエイジの隠れた傑作「Exemplum Rhythmicus」が、〈Subcity Radio〉のレジデントを務めるEamonnが今年創設した〈chOOn!!〉よりアナログ・リイシューされた。

〈SoundScape 713〉ミラノ拠点。2014年に設立されて以来良質なリチュアル・インダストリアル〜ノイズ系作品をカセットで発表している。

〈BeTon〉N.やLyke Wake、Maurizio Bianchi関連のめちゃくちゃ地味なリリースを展開しているかなり変なレーベル。装丁にこだわりあり。

【イタロ・ディスコ】

〈Best Record〉伝説的なDJとして知られる、Claudio Casaliniによって81年にローマで設立されたイタロ・ディスコ名門中の名門レーベル。近年になって、その活動を再開して自身らのカタログも再発、〈Dark Entries〉などの再発とも併せてイタロ・ディスコのリバイバルを推進している。

〈Full Time Records〉イタリアのダンス・ミュージック史の最重要レーベルのひとつであり、〈Best Record〉とも並ぶイタロ・ディスコの聖地。

【ライブラリー・ミュージック/サントラ系】

〈CAM〉1959年末に設立された巨大レーベル。

〈Beat Records Company〉1966年から2011年にかけて存在。サウンドトラックやジャズ名dpに特化したイタリアのインディペンデント・レーベルとして最も活発に活動し、40000曲以上のトラックを出版した。

〈Cinevox〉60年代初期に創立された大手サントラ系レーベル。

〈Sonor Music Editions〉2013年にローマで設立されたライブラリー系再発レーベル。センスが良い。デジタル版は買えない。

〈Four Flies Records〉ライブラリー系再発レーベル。デジタルが買える。前述の〈Sonor〉と比べるとラインナップがやや古風。

〈Nuovo Repertorio Editoriale〉イタリア国営放送協会こと〈RAI〉のライブラリー系レーベル。日本人DJによるこんなユニークなミックスCDも存在している。

〈Cometa Edizioni Musicali〉70年代から活動。カタログの再発もおこなっている。やや小規模ではあるがマニアから人気の高いレーベル。

〈Edipan〉ライブラリーに加え、現代音楽も発表している地味なレーベル。

〈Omicron〉「モンド・ミュージック」というキーワードの生みの親Piero Umiliani(ピエロ・ウミリアーニ)が64年に設立したサントラ/ライブラリー系レーベルで本人の作品が中心のラインナップとなっている。

〈Ayna〉Egisto Macchi、Pietro Grossi、Rino De Filippiなどの作品で知られるライブラリー系レーベル。オリジナルがほとんど流通していない。

〈Right Tempo〉ライブラリー系を中心にジャズからファンク、ソウル、アシッド・ジャズなどをリリースしていたミラノのレーベル。


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