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キャッシュベースの経営

 こんにちは。佐賀県でキャラクターショーや子供向けのイベントを手掛けています崖っぷちの会社、株式会社サニムの小松一俊です。

 さて今日はキャッシュベースの経営というテーマで話していこうと思います。本気で経営を学んでいたり、その方面でのコンサルティングをされている人は聞かないでOKだと思います。大した内容はありません。薄いです。

 お小遣いをもらって、おもちゃを買いました。残りはいくらですか?誰でも子供の頃からしている足し算引き算です。四則計算ですらない。
 僕の考える経営はただこれだけです。
 でも、これができない中小企業の経営者とその経営者に会計を任されている税理士や会計士でちゃんとこれがわかっている人は少ないと思います。

 起業して税理士を雇ったり、あるいは税理・会計アプリを導入するとすぐにわかると思います。日本は絶対的に「発生主義」の会計です。「発生主義」に対して「現金主義(キャッシュベース)」なんですが、日本で「現金主義」というと、なんだか守銭奴みたいなのでキャッシュベースなんだと思います。(多分)

 よく勉強している人と、実際に経営に携わった人、または経営が見える会社にいる人には事例として学んだり、実際に体験した経験があるんじゃないでしょうか?利益が出て黒字なのにお金がないから銀行に融資してもらう。
 そして、黒字が見えているから銀行も割と高額な融資を「念のため」みたいなセリフで進めてきて、結果、不必要に借入を増やし、利子を毎年何百万円と払っている。

 株式会社サニムの場合もまさにこれで、5〜6億円なんて売上があったころでも、月末の支払いが難しいタイミングがあり、銀行から融資を受け支払う。特にイベント業界は翌月に支払う材料費や人件費が結構あるのに、発注元からの支払いが翌々月末なんてことがザラにあるので翌月末の資金ショートは起きやすいという特性があります。
 そして、「5〜6億円の売上がある会社だから3億円くらい借りても全然大丈夫でしょう!」と金融機関が微笑みかけて融資が成立。
 しかし、長い間経営をしていると売上低迷やクライアントの倒産で費用回収ができないなんてこともあり、結果的に2億円の売上しかないのに、2.5億円の借入がある債務超過の会社、株式会社サニムが出来上がるというストーリーです。

 この根本的な原因が発生主義で売上を見ているから起きると僕は考えています。さらに発生主義で売上を考えた場合、未入金の売上を勘定に入れてしまうので、預金が1000万円あり、その月の売上が1,000万円あった時、後者は未入金の金額なのに2,000万円のお金を持った気になるという勘違いです。嘘みたいな話ですが、多くの中小企業の経営者はこの勘違いをします。そして、税理士・会計士と呼ばれる人は、まさかそんな勘違いをしないと思っているので、そこにアドバイスをしません。そして、彼らが会社を訪問するのは1ヶ月に1回程度なので、翌月訪れた時は、気の大きくなった経営者が新しく何かを購入しているなんてことが、よくあります。

 子供の頃にできていた「今、財布の中にいくらあるか?」が経営者になるとできなくなるということが黒字倒産の大きな原因です。

 僕がこの状態にあった株式会社サニムの社長になったとき、まず行ったのは費用の支払いを徹底的に後回しにすることでした。
 「待ってください。」と頭を下げて回ったということではなく、イベント現場で当日支払いが起きる経費のうち、ガソリンに関してはガソリンスタンドのコーポレートカードで当月締め、翌々月支払いに変更し、アルバイト代の日払い対応を極力避け、備品の購入も翌月支払いの請求書対応から翌々月支払いになるクレジットカード支払いへ変更していった。もちろん、宿泊が発生する現場も当時は現金を持って宿泊先へ向かったが、ネットのクレジット決済を行うことで翌月または翌々月末支払いへ変更となった。
 こういう小さなことも含め、ありとあらゆるものの支払いを後回しにした。これは先述のイベント業界の特性に対しする対応です。

 さらに、この翌々月末支払いをするクライアントに対しても、株式会社サニムは翌月末支払いですと請求書に記載して発送した。もちろん「翌々月末支払いの約束ですよね?」という連絡があるクライアントには「会社のルールは翌月末ですが、今まで通りで大丈夫です。」と伝えた。
 たったこれだけで、数社は翌月末支払い変更となった。運転資金がある会社は普通に支払ってくれるというありがたい話です。

 結果、現在、ほとんどの会社が翌月末または翌々月10日など、以前と比較して早いサイクルで入金をしていただけるようになり、サニムからの支払いも極力早く入金をするようになりました。
 残念ながら、サニムはそこまで運転資金を潤沢に持っていないので、サニムの支払いはフリーランスや少人数経営の会社など運転資金の回転をスムーズにしなければならないと考えられる方々を優先にしています。

 最初にお話しした通り、薄い内容ですね。しかしながら、僕の考えるキャッシュベースの経営はこれだけです。
 できるだけ早くお金をもらい、できるだけ遅くお金を払う。
 将来入ってくるお金は入ってくるタイミングで使うことを考え、決して先に使うことを考えない。そして、自分たちが上手く行った時、今度はできるだけ早く払うように心がける。ただそれだけです。

 今月の売上は良かったより先に、今月の入金はいくらという発想が頭にあると会社が倒産することはないと思います。
 もちろん、将来の入金を作ることも大事です。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。もし興味があれば株式会社サニムのFacebook、Instagram、TwitterなどSNSや社員全員で話しているポッドキャストもありますので検索してみてください。
 今後ともよろしくお願いします。

いただいたサポートだけが僕のお小遣いです。ジリ貧(死語)